アメリカでは非対称な球場、レフトフェンスがそびえたつグリーンモンスター、外野フェンスがツタであったりと特異なイメージをもつかもしれないが、日本の球場もそれぞれに色があり、決して画一されているわけではない。12球団の本拠地を観戦した経験から各球場の特徴をまとめた。
目次
広島東洋カープ(MAZDA Zoom-Zoomスタジアム)
2018年セリーグチャンピオンになったこともあり、チケット入手は大変困難である。またアクセスは広島駅から徒歩圏内であり、主要駅が最寄り駅である球場は唯一である。
新幹線からも一瞬だが、球場を拝むことができる。広島名物のスクワット応援が見物だ。なお打席が西向きとなるため、デーゲームでは野手にとって日差しが捕球の邪魔となる。そのためサングラスをかける選手が多いことが特徴だ。
ヤクルトスワローズ(神宮球場)
大学野球でも使用される本球場。長打が出やすい球場であることには理由がある。それは水はけを良くするために傾斜がかかっていることだ。
外野方向に沈んでいるため、捕手から見ると中堅手の膝下が見えないのだ。そのため本塁打が出やすい球場のつくりになっているため、投手は一発を防ぐ投球術が必要である。
読売ジャイアンツ(東京ドーム)
言わずと知れた日本を代表する日本初の野球場のドームである。また日本ハムも北海道への移転前は本球場をホームとしていた。外野の形状が弧を描いておらず直線的であるため両翼が浅くセンターが深い。
そのためドームランとも揶揄されるが、引っ張りおよび流し打ちでホームランになりやすい、地の利を生かした打ち方を坂本選手は実行しているように見える。
DeNAベイスターズ(横浜スタジアム)
ストライプ柄が映える人工芝である。他球場よりもフェンスが高いように感じる。千葉マリンと同様、風が強い。ハマカゼを味方とするか敵となるかは練習量がモノをいうだろう。
DeNAとなってからはファン数が増加していることも特徴である。
中日ドラゴンズ(ナゴヤドーム)
こちらも人工芝が映えるキレイな球場である。セリーグで最もホームランが出にくい球場であり、強打者にとっては広いため、なかなかホームランが出にくい。
中日は元来投手王国といわれているが、投手にとって有利な球場だからであるかもしれない。この球場でホームラン王を獲得した中日選手は複数いるが、他球場ならもっと増えていただろう。
阪神タイガーズ(甲子園球場)
高校野球にも代表されるがツタの生えた伝統ある球場である。熱狂的ファンが多いことが有名だが、365度阪神ファンに囲まれているように選手は感じるだろう。
特にコントロールの良くない投手でメンタルが弱いと苦戦を強いられる。また内野が土のためイレギュラーの関係もあるが、エラーが出やすい球場である。
西武ライオンズ(メットライフドーム)
西武狭山線の終着駅からすぐの場所であり、最寄り駅から非常に近い球場である。日差しが入り込む球場であり、外野スタンドは座席が設置されていない。外野フェンスが低いため、ホームランボールをキャッチするスーパープレーが見られるかもしれない。
ソフトバンクホークス(ヤフオクドーム)
広い球場として有名であったが、最近は外野フェンスの前に新規座席を設けており、強打を誇る球団としてさらにホームランが出やすくなった。
また開閉式のドームである。通常のチームはチームカラーを特定に決めていることが多いが、本球団は時期によってチームカラーを青、赤、緑、紫、黄色等様々な色を取り入れており、楽しみ方も様々である。
日本ハムファイターズ(札幌ドーム)
フェンスが高い大きな球場である。春先は寒いが、ドームであるため、中は暖かく感じる。左中間と右中間にボール型の広告があるため、ついつい見入ってしまう。また付近に富んだ際、ホームランボールはどうなるのか気になるところである。
オリックスバファローズ(大阪ドーム、ほっともっとフィールド神戸)
前身の近鉄と統合したこともあり、大阪ドームと神戸を主戦場としている。大阪ドームのほうが、収容人数が大きいためか、近年は大阪ドームの方が開催試合は多い。
また外野スタントの座席の設計上、ホームランとなったか分かりくいように感じるかもしれない。神戸の方は、ホームベースを中心に放射線上に土が敷かれている。すなわちピッチャーゴロだけ土がつくゴロだ。
千葉ロッテマリーンズ(千葉マリンスタジアム)
強風が有名な球場であり、10m以上吹くことも珍しくない。ロッテの選手であっても高いフライを捕ることは決して容易ではない。シートノックの際は、フライの練習量が多く必要である。
また両翼にオーロラビジョンがある、ロッテの応援はリズミカルな歌が多く、楽し気に見えるだろう。
楽天ゴールデンイーグルス(楽天生命パーク宮城)
ボールパークの呈色が強く、左中間に観覧車が設置されている。エンターテイメントもあり、子供であればいろいろな楽しみかたがある。また楽天が勝利し、ヒーローインタビューに挙がった選手は球場外でも紹介され、間近で選手を見ることができる。
まとめ
以上、各球場についてまとめたが、その他にも違いを楽しめるポイントはたくさんある。例えば、スタジアムグルメ、ラッキーセブンの応援、選手紹介の方法、マスコットのパフォーマンス等である。
テレビ観戦でプロ野球を楽しむことも良いが、ビール片手に生の野球を観戦することでテレビ画面からは見えてこない楽しさを体感できると筆者は考える。野球ファンとして特定の球団・本拠地にて応援することに加えて、敵地で応援することも勧めたい。