こんにちは。
ダゾーンでマンチェスター・シティの試合を見ている松嶋俊です。
あなたは、ご存知ですか。2019シーズン、Jリーグに衝撃を起こったんだす。
食野亮太郎(めしの りょうたろう) 21歳。大阪府泉佐野市出身のストライカーに、そのプレースタイルと名前からついたあだ名は「浪速のメッシ」。
中学生の頃からガンバ大阪ジュニアユースで育ち、堂安律選手とはジュニアユース時代からの同期。2016年にガンバ大阪のトップチームに入団し、J3のガンバ大阪U23で活躍。2018年にJ1デビューを果たすと、2019年5月11日のサガン鳥栖で衝撃のJ1初ゴール。
そこからスーパーゴールを量産し、今夏にフットボールの最高峰、イングランドプレミアリーグを現在2連覇中の王者、マンチェスター・シティへの移籍が決定しました。
今まで代表キャリアは無く、無名の新人だった食野選手がなぜ世界のビッグクラブに移籍できたのか。
その魅力に迫りたいと思います。
1.サッカー東京オリンピック代表の守護神、大迫敬介選手!次世代型ゴールキーパーが世界に羽ばたく!
目次
- 人生を変えたサガン鳥栖戦でのスーパーゴール
- 食野選手はどんな選手?マンチェスターシティで活躍は出来るのか?
- ハーツとは?スコティッシュ・プレミアリーグって?(追記:2019年9月16日)
- 昨シーズンを6位で終えたハーツ
- ハーツ所属の食野 亮太郎選手が今季3ゴール目の芸術ミドル!AFC U-23選手権でも結果を残す!(追記:2020年1月21日)
- AFC U-23選手権、初戦U-23サウジアラビア戦で同点弾!
- AFC U-23選手権、U-23シリア戦でグループリーグ敗退が決定。食野選手は後半に途中交代
- 最終節U-23カタール戦、3戦連続スタメン出場の食野選手のアシストから先制弾
- 海外の評価は?今後どんな選手になる?(追記:2019年10月12日)
- 食野遼太郎の展望~現在地・オリンピック・そして新天地へ(追記:2020年9月15日)
- それは東京オリンピックである
- ポルトガル1部のリオ・アベに期限付き移籍
- まとめ
- この記事を読まれた方は、他にもこのような記事を読まれています
人生を変えたサガン鳥栖戦でのスーパーゴール
2019年5月11日 第11節 サガン鳥栖 vs ガンバ大阪。
試合は、連敗を脱出したいサガン鳥栖の気持ちの入ったプレスと運動量に圧倒され、3-0と一方的な展開に。そして迎えた後半ロスタイム。
ボールを受けた食野選手は、ターンすると後ろから来るDFを背負いながらもDFを2人かわし、5人のDFに囲まれながらも強烈なミドルシュートを突き刺しました。
試合には敗れたものの、それまでJ3のガンバ大阪U23とトップチームを行ったり来たりでほぼ無名の控え選手だった食野選手は、このゴールで一気にサッカーファンの注目を集めました。
しかし、食野選手のブレイクはこれで終わりません。
2019年6月1日 第14節の鹿島アントラーズ戦。
2019年6月22日 第16節の湘南ベルマーレ戦でも立て続けにスーパーゴールを決めて見せました。そして、2019年8月にはマンチェスターシティに移籍。この激動の3ヶ月がとにかくすごい。
J1リーグではこの3得点ですが、実は国内カップ戦のYBCルヴァンカップでこんな素晴らしいゴールも決めています。
どれも個人技が光るスーパーゴールばかり。これが食野選手の実力が本物であるという証明です。
食野選手はどんな選手?マンチェスターシティで活躍は出来るのか?
食野選手の特徴は、何と言ってもゴールへの意欲。
JIでのゴールだけでは無く、J3のガンバ大阪U23でもプレーしており、2019シーズンの成績は7試合8ゴール。平均すると、なんと1試合に1ゴール以上のペースで得点をあげています。
ドリブルやトラップ、パスも非常にうまい選手ですが、ドリブルや裏への抜け出しからゴールを常に狙っているということが、相手にとっては一番の脅威です。
食野選手は、マンチェスター・シティでは、A代表での国際Aマッチ経験が一定以上ないとビザの取得が難しく、スコットランド「スコティッシュ・プレミアリーグ」のハート・オブ・ミドロシアンFC、通称「ハーツ」にレンタル移籍。
しばらくはハーツで活躍し、イングランドでのビザ取得を目指すことになりそうです。
ハーツとは?スコティッシュ・プレミアリーグって?(追記:2019年9月16日)
食野選手のレンタル移籍先は、スコットランド「スコティッシュ・プレミアリーグ」のハート・オブ・ミドロシアンFC、通称「ハーツ」に決まりました。
世代別代表も含め、日本代表経験がほとんどない選手が英国での就労ビザを取得するのは極めて異例なこと。食野選手は「特別な才能を持った選手」と認められ特例での取得となりました。
ハーツは、スコットランド東部に位置するエディンバラを拠点とするチーム。なんと、1874年の創設以来、リーグタイトル5回・スコティッシュカップ8回・スコティッシュリーグカップ4回のタイトルを取っている伝統的な名門クラブです。
スコティッシュ・プレミアリーグは、かつて元日本代表10番の中村俊輔選手(現:横浜FC)も活躍したリーグ。現地メディアの注目度も高く、会見には20名以上の報道陣が駆けつけました。
昨シーズンを6位で終えたハーツ
食野選手とともに今シーズンは輝きを放つことはできるのでしょうか?
渡英翌日にリーグデビュー。メンタルの強さが武器!
https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/football/wfootball/2019/09/03/___split_67/index.php
エジンバラ空港に到着した当日に早くも全体練習に参加したという食野選手。通常は時差ぼけなどもあり、合流直後は軽い個人トレーニングで終わることが多いですが、上海からイギリスまでの12時間のうち10時間はしっかりと睡眠を取れたという食野選手。
メンタルのタフさに驚かされます(笑)なんとチームも食野選手の合流に合わせ、全体練習を午後にずらしていたというから驚きです。
そして食野選手は、翌日のハミルトン戦でベンチ入りし、負傷した選手に代わり前半31分からデビュー。
https://youtu.be/jXRJz5Z4rq0
キレのあるプレーからシュートまで持っていくなどコンディションの良さを見せました。そして衝撃の初ゴール!海外でもスキルが通用することを証明!
渡英から約2週間。早くもその瞬間はやってきました。
9月14日に行われたマザーウェル戦。
後半56分、0-2で2点差を追いかける場面で、背番号77番を身につけた食野選手が投入されます。
その直後(動画の2:55辺りから)、右サイドを抜け出した食野選手にボールが渡り、冷静に切り返してシュート!惜しくもキーパーに弾かれますが、それが味方選手に繋がり、ゴール!!食野選手が起点となり、1点差に迫ります。
その後、さらに失点をしてしまい、1-3出迎えた後半86分。ついにその瞬間が訪れました。(動画4:30辺りから)
ピッチの中央でボールを受けた食野選手。
素早い反転から、味方選手とワンツー。個人技で1人かわし、大柄のDF3人に囲まれながらもゴール右隅に強烈なシュートを突き刺しました。
これがハーツでの初ゴール。まるで、あのサガン鳥栖戦で見た衝撃の再現のようでした。
試合には敗れていまいましたが、体格差のある選手に囲まれながらも、個人技でシュートまで持っていける食野選手のスキルは、海外でも通用すると確信できた瞬間でした。
ハーツ所属の食野 亮太郎選手が今季3ゴール目の芸術ミドル!AFC U-23選手権でも結果を残す!(追記:2020年1月21日)
ハーツに所属する食野亮太郎選手。
2019年12月29日にホームで行われた、スコットランド・プレミアリーグ第21節アバディーン戦にスタメン出場し、今季3点目となるゴールを決めました。
https://youtu.be/5nvtV6CzL5c
動画の1分18秒からの場面で、味方が繋いだボールを自分で持ち上がり、右足で打ったロングシュートが見事に相手ゴールに突き刺さります。
思い切り蹴ったシュートではなく、正確にコントロールされています。シュートを打つ為、最後に右足にボールを出しますが、その一つ前に1回左にドリブルしてシュートを打つスペースを自分で空けてからシュートを打っているのです。味方からボールを受けた時、シュートを打てる場所を一瞬で見極め、このレベルの中トップスピードで狙い通りゴールできることからも、食野選手のシュートセンスが素晴らしいことがわかります。
実はこの動画の得点シーンの前に相手選手と小競り合いを繰り返し、イエローカードをもらっている食野選手。負けん気の強さが出たイエローカードでしたが、普通のメンタルであればイライラしてしまい、シュートに力が入ってしまうのですが、このゴールからも食野選手のメンタルの強さがうかがえます。
2019年10月20日以来の12試合ぶりとなるゴールで、チームの連敗を5で止める活躍を果たしました。
次節は
1月22日に開催され、ハーツでのこれからの活躍が期待されます。
AFC U-23選手権、初戦U-23サウジアラビア戦で同点弾!
東京オリンピックイヤーの幕開けとなった、AFC U-23選手権では唯一の海外組として招集された食野選手。1月9日のグループリーグ初戦、U-23サウジアラビア代表にスタメンで出場すると、後半11分に一時は同点となるゴールを決めました。
https://youtu.be/o6pHBhIgymY
左サイドからカットインして放った右足のシュートは、相手に当たってコースが変わりゴール。
カットインからのシュートは食野選手の得意なプレーなのですが、他の選手のカットインとは違う特徴があります。通常、カットインは外から中へ向かって真横に切り込んでいく選手がほとんどなのですが、食野選手は少し後ろに下がりながらカットインも得意としているのです。
相手からすると、食野選手が遠ざかっていくのでシュートコースは広がりますが、後ろに下がりながらシュートを打つので当然、横へのカットインよりシュートを打ちづらくなります。それを当然のように、やってのけるシュートセンスが生んだナイスゴールです。食野選手が得意としている形から生まれたゴール、というのもありますが、視点を変えて見てほしいところがあります。
食野選手に対応した相手選手、そしてシュートが当たってしまった選手共にハンドを避けるような動きをしています。今大会からU-23大会では初となるVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が採用されており、ペナルティーエリア内でのハンドはビデオ判定によりPKになる可能性があるので、相手選手はハンドを極力避けるような対応をせざるを得ません。
この得点にも影響していますし、シュートの意識が高い食野選手には今後追い風となるでしょう。オリンピックイヤーチーム初得点、そして食野選手にとっても同代表初得点となりましたが、チームは後半40分、相手にPKを与えてしまい1-2で敗戦。
食野選手はこの試合を通して、個人技からチャンスをつくるなど相手ゴールを脅かす活躍を見せました。
AFC U-23選手権、U-23シリア戦でグループリーグ敗退が決定。食野選手は後半に途中交代
1月12日に行われた第2戦U-23シリア代表との試合は1-2と再び敗戦し、グループリーグ敗退が決定。
食野選手は2戦連続でスタメンで出場。ボールを持った時の仕掛けや前へ進もうとする推進力は見ごたえがありました。ブロックをしっかり作って守る相手に苦戦し、球離れが悪い場面もあった印象です。前節からスタメンを大幅に入れ替え、味方とのコンビネーションも上手くはいきませんでした。
しかし、ボールを持った時の「個」は相手にとって脅威であったとことは間違いなく、相手もかなり警戒していたので後半22分の交代は残念です。食野選手だけではありませんが、高温多湿での連戦の疲れも少しずつ見えた試合となりました。
最終節U-23カタール戦、3戦連続スタメン出場の食野選手のアシストから先制弾
森保監督の進退も問われる中、1月16日に行われたグループリーグ最終節のU-23カタール代表との戦いは、前半にVARで一人退場となる中、1-1の引き分けに終わりました。
https://youtu.be/_x6excCRLbM
後半27分、動画では4分7秒からの場面でパスを受けた食野選手がドリブルを始めると、相手選手2人を引き付けて小川航基選手にパス。
そのボールを小川選手が見事に決め、1人少ない状況で先制します。前節U-23シリア戦に続き、U-23カタール戦も試合を通じて、相手は食野選手のドリブルを警戒していました。良い状態でボールを持った食野選手に相手が2人対応していることからも見て取ることができます。
試合中、小川選手が「バイタルでもう少し顔を上げて、俺を見て欲しい」と食野選手に伝えてコミュニケーションを取っていたからこそ、生まれたゴールでもありますが、自分でゴールを取りに行くだけではなく、周りを生かせるというのも食野選手の良いところです。
小川選手にパスを出した後、もう一回もらってゴールをするイメージもしっかり持っていたことも動画からわかります。前述しましたが、食野選手に対して相手はかなり警戒して飛び込まないように対応していました。
この試合のように警戒されても周りを生かすプレーが増えてくれば、再び自分に対しての対応に隙ができます。今後は周りの選手とのコンビネーションも大事となってきますが、厳しいマークの中でもゴールが奪えるかが鍵となります。
海外の評価は?今後どんな選手になる?(追記:2019年10月12日)
初ゴールを決めた第5節のマザーウェル戦以来、食野選手は全ての試合に先発出場しています。(2019年10月11日現在)
第6節のハイバーニアン戦では、食野選手の素早いショートコーナーから味方選手のフィジカルを生かす柔らかいクロスボールから同点ゴールが生まれました。
味方選手からも信頼されており、監督や現地のサポーターからの信頼も高まってきており、かなりチームに馴染んでいると言えます。
チームにも早くも馴染んでいる
ピッチ内外で順調な食野亮太郎。ハーツ同僚FW「楽しんでいるようだよ」https://www.footballchannel.jp/2019/10/03/post340945/
チームメイトのベテランFWスティーブン・マクリーン選手もピッチ内外での食野選手の様子にふれ、プレー面で信頼されていることはもちろん、ピッチ外でも明るい性格で馴染んでいることを語っていました。
海外のクラブで成功するにはチームメイトの信頼が欠かせないので、とても素晴らしいことです!
ハーツ監督、食野亮太郎のさらなる活躍を確信。「今後が本当に楽しみ」
https://www.footballchannel.jp/2019/10/09/post342034/
クレイグ・レヴェイン監督も食野選手のボールタッチや判断力、シュートへの積極性に満足した様子を見せつつも、食野選手はもっと活躍する選手だと期待している様子です。
スコティッシュ・プレミアリーグは、欧州リーグの中でも特にフィジカル面が強い選手が多く、ボディコンタクトが激しいリーグの一つです。
これまでプレーしてきたJリーグとは全く違うサッカーなので、プレー面での工夫も必要ですが、食野選手なら今後さらに輝かしい活躍でファンを楽しませてくれることでしょう。
ついにU-22日本代表に初招集!そして早くも初ゴール!!
https://twitter.com/weeklysd/status/1182632616543043584
東京オリンピックでの活躍を目指すU-22日本代表は、ブラジル遠征に挑むメンバーを発表。
食野選手は、これまでのサッカー人生で初となる日本代表初招集となりました。
そして、10月10日に行われたU-20サンパウロFCとの練習試合では初先発。
早速ゴールを奪い、3-0で勝利しました。
次は、久保建英選手の元チームメイトでレアルマドリー所属の若手注目FWロドリゴ選手擁するU-22ブラジル代表との親善試合があります。
東京オリンピックでも優勝を争うことになるかもしれない相手との対戦ということもあり、食野選手の活躍が期待されます。
ハーツ指揮官、移籍が報じられる食野亮太郎に「素晴らしい才能がある。加入が楽しみ」
https://web.gekisaka.jp/news/detail/?282318-282318-fl
食野亮太郎の初ゴールに英国メディアも賛辞「独力で鮮やかにネットを揺らした」
https://web.gekisaka.jp/news/detail/?285224-285224-fl
「彼はシュンスケ・ナカムラになれる!」スコットランドで“武者修行中”の食野亮太郎をチームメイトが絶賛
https://www.soccerdigestweb.com/news/detail/id=64125
早速メディアやチームメイトからも高い評価を受けている食野選手。関西仕込みのコミュニケーション能力の高さを発揮し、早くもチームに馴染んでいるようです。
「3年後にはマンチェスターシティで輝けるように」と目標を語った食野選手。
日本人には数少ない個人技を駆使したプレースタイルを活かし、ゴールを量産することでできれば、可能性は十分にあります。
現在まだ21歳。食野亮太郎選手の今後に期待です。きっとゴールを量産しA代表に定着してくれるでしょう。
食野遼太郎の展望~現在地・オリンピック・そして新天地へ(追記:2020年9月15日)
昨年、ガンバ大阪からマンチェスターシティに加入し、特例での英国就労ビザを得てスコティッシュ・プレミアシップのハーツにレンタル移籍をした食野。
シーズン序盤、センセーショナルな活躍で観客を魅了した食野だが、徐々に出場時間を失い、チームでの序列も下がっていき、チーム自体もリーグ第13節のセント・ミレン戦を勝利した以降5連敗を経験し、調子を落としていきます。
欧州のサッカーは甘くなく、当然のことながら監督は解任され、食野を高く評価していたヴィイン監督から、現在はシュテンデル監督が指揮を執ることになるのだが、これにより食野の持ち味が出せなくなってしまったのです。
シュテンデル監督が目指すサッカーというより、チームを残留させるために選ばざるおえない戦術のおかげで、食野のもとにいい形でボールが入らない。
「奪ったら蹴る」を合言葉にロングキックを多用し手数とリスクをかけずになるべく相手陣地でサッカーをしようとするスタイルに食野のポテンシャルを活用できなくなってしまいました。
食野の持ち味は何といってもボールを受けてからすべてが始まる。相手に仕掛けていくドリブル、意表を突くラストパス、力強いシュート、そのどれもがボールを持った時に発揮されます。しかし、そのボールが食野の頭の上ばかり通過していては存在価値がなくなってしまいます。
チームは結局、下がった調子を取り戻せぬまま最下位に沈み、新型コロナウイルスの影響で2019-2020シーズンの打ち切りが決まり、来シーズンの2部降格が決まりました。
食野は序盤で感じた手応えと中盤、終盤で感じた悔しさが混在するシーズンとなった。そして、6/1日にハーツは食野のレンタル期間終了の発表。
新天地はまだ決まっていないが、現実的に、保有元のマンチェスターシティに復帰することは難しいと思います。一番のネックは外国籍選手のための労働許可の条件をクリアすることが極めて厳しいです。
スコティッシュ・プレミアシップでは食野は「有望な若手選手」という位置づけで特例での労働許可が下りたが、しかし本来は、欧州主要リーグや代表チームでプレーすること、事実場プレミアリーグでコンスタントに試合に出場することを想定して定められています。
つまり、今現在の食野のキャリアではプレミアリーグでプレーするための労働許可が下りるのは極めて難しい。
となると、新天地を探すことになるのだが、食野にとって重要視しなければいけないものが一つある。
それは東京オリンピックである
新型コロナウイルスで延期になった東京オリンピックが来年に開催されることを考えれば、オリンピック開催までの時間にアピールしなければいけません。つまり「試合に出場する」ことが大事なのである。このまま欧州に残り移籍先を探すことになるのだろうが、ハーツでインパクトを残せなかった食野に対して、ある程度出場時間を確約してオファーをしてくるチームは少ないだろう。
バックアップ要員、もしくは《当たればラッキー》くらいの感覚でしょう。となると、Jリーグに帰り、出場時間を確約された中でアピールし、オリンピックを目指すという方法もなくはない。
オリンピックで輝きを放てば、また再び欧州の舞台に返り咲くこともできるはずです。プレースタイル、言動を見ても非常に貪欲で、成長、活躍することに常に飢えていることが窺えます。もちろんこのまま終わる選手ではないはず。さらなる飛躍に期待したいです。
ポルトガル1部のリオ・アベに期限付き移籍
東京五輪世代のMF食野亮太郎選手がポルトガル1部のリオ・アベに期限付き移籍することが決まりました。
昨季はマンチェスターシティからスコットランド・プレミアシップのハーツに期限付き移籍し、19試合3得点を記録しましたが、昨年12月の指揮官交代以降は思うように出場機会を得られずにいました。
そして、リーグ戦が新型コロナウイルスの影響を受けて今年5月18日に打ち切りが発表され、最下位のハーツは2部降格が決定してしまい、食野自身も6月1日に退団が発表されていました。
開幕のトンデラ戦で初ゴール!
ポルトガル1部リーグで20日、開幕戦となった敵地トンデラ戦。食野選手は1点を追う後半41分に投入されると、アディショナルタイムに見せ場を作ります。敵陣中央で味方が相手からボールをカットすると、タメを作りながらドリブルを開始します。
食野選手は守から攻の切り替えを誰よりも早く行うと、DFラインと駆け引きしながら左サイドをフリーランを開始。
味方からのパスを引き出すと絶妙なワンタッチで相手DFの足が届かないところにボールを置くことに成功し、ストレスなく左足を振り抜きました。
放たれたシュートはGKの脇下を抜けてネットに突き刺さる豪快なゴールで、喜びを爆発させ、チームメートからも手荒い祝福を受けました。
敗色濃厚だったチームを救う一発は、チームやサポーターに「俺は食野亮太郎だ!!」とインパクトを与えるには効果絶大だったのではないでしょうか。
今季は
と目標に掲げる食野選手。その第一歩目として、新天地デビュー戦で結果を残したのは大きいのではないでしょうか。
波に乗れなかったか
開幕戦の初ゴールで、ある程度チーム内での序列を上げることに成功したかに思えた食野選手ですが、それ以降の試合では波に乗り切れていないのが現状です。
開幕戦以降の成績を見てみると
9/24のヨーロッパリーグ3次予選ラウンド(ベジクタシュJK戦)では後半34分に途中出場しチームも勝利【1 - 1(2 PK 4)】し、9/27国内リーグ第2節ヴィトリア・ギマランエス戦ではスタメン出場し、後半21分に途中交代しています(結果は引き分け)
しかし、チームの指揮官がこの試合での食野選手パフォーマンスを不満に思ったのか、怪我なのかは不明ですが、それ以降のヨーロッパリーグのプレーオフラウンドのACミラン戦と、国内リーグの3、4節の直近3試合では出場がありませんでした。
このことから考えるに、食野選手はまだ、チームの中で信頼を完全に得られたわけではないのかもしれません。
開幕戦でのセンセーショナルな初ゴールが忘れ去られてしまう前に、トレーニングでアピールし出場機会を得て、結果を出したいところです。
食野選手には来年の東京オリンピックも控えています。
日本で開催されるオリンピックにはどうしても出たいでしょうし、そのためには試合に出場し、結果を出すしか方法はありません。
今年も残り少なくなってきており、食野選手がアピールするために残された時間は多くはないでしょう。しかし、本来のポテンシャルを発揮できれば必ずスタメンに名を連ねることができると思いますので、食野選手の今後の奮起に期待しましょう!!
参照https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/0/8/08cc1_1469_c711e809_d08ee208-m.jpg
まとめ
食野亮太郎選手の最近の活躍を追記で紹介しました。
自チームのハーツでは、3ゴール目を決めた他にも活躍を続け、いなくてはならない選手としての地位を確立しています。また先日行われた、AFC U-23選手権では唯一の海外組として招集され、結果を残しました。
今大会を終え、インタビューには、「実力不足。悔しいです」と答えましたが、本戦の東京オリンピックまでまだ半年間、時間は残されています。半年間といえば、食野選手がJ3からJ1へ移籍し、海外挑戦にまでかけ上がった期間と同じです。スコットランドへ戻り、さらなる成長を遂げた食野選手が、再び東京オリンピックで代表で活躍する姿を期待しましょう。
食野亮太郎選手が活躍するポルトガルリーグは【スカパー!】で視聴できます。詳細についてはこちらをクリックしてください
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