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錦織圭に勝利した西岡良仁の実力は本物!?強さに迫ってみた

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8月14日に行われたテニスのウエスタン・アンド・サザン・オープン(米シンシナティ)男子シングルス2回戦で事件は起きた!

錦織圭が同じ日本人選手に負けた。

こんにちは。テニスのコーチをしていた戸崎といいます。普段はDAZN(ダゾーン)でテニスの試合を見るのが大好きで、日常でもテニスのコーチをしています。

8月14日。衝撃なことでした。

さて、今日の記事の主人公「西岡良仁」

ご存知ですか。日本において、テニスプレイヤーというと錦織選手が有名ですが、よほどのテニス好きじゃない限りは、彼の名前も知らない人ばかりのはずだ。

そんな彼が、シンシナティマスターズの大会で初めて錦織圭と対戦した。ほとんどの視聴者は十中八九、錦織選手が勝つと思っていたはずだが、大波乱が起きた。

なんと西岡選手が勝ってしまった。それもストレートでの勝利だった。

テニスを見ない方にはわからないかもしれないが、普段からテニスを見ている自分からすると、対戦するというだけでワクワクするものだったのだが、さらには勝ってしまったものだから、ものすごく興奮した。

錦織選手は、世界ランキング、最高4まで到達したレジェンド級の選手だ。
対して西岡選手もランキング最高58位で、世界的に見てもものすごい偉業だが、錦織選手と比較してしまうとかなり劣る。

さらには、世界のトップ選手は身長190センチ台が当たり前の中、西岡選手は身長171センチと低い。

テニスの世界において、体格の差は、バレーボールやバスケットと同じぐらい影響してくる。そんな世界で、身長の高くない西岡選手はどのように勝ってきたのだろうか。

錦織選手戦の戦況分析

では、このウェスタンサザンオープンにおいて打倒錦織選手を果たした西岡選手の試合ぶりを分析してみよう。

ストロークにおけるエースを取る力は、錦織選手は世界でも一級品、特にバックハンドダウンザラインは、あのジョコビッチ選手にもそん色ない世界指折りである。そして最近はサーブ力も向上、もともと持っている試合展開力、ドロップショット、ネットプレーなどを織り交ぜる総合力では、現状の西岡選手ははるかに及ばない。

ウェスタンサザンオープンにおいて、西岡選手が有利と思えたのは、すでに予選、本選を勝ち抜き、ボール、コート、そして会場の雰囲気にもかなり慣れてきているという点であった。

そして経験値、グランドスラムベスト8を何度も経験している錦織選手に対し、グランドスラム本戦1回戦、2回戦で激闘している西岡選手とは大きな差がある。

そんな中での対戦、もちろん錦織選手有利は否めない状況であった。

第一セットは西岡選手がブレーク先行するも、次第に錦織選手がストロークで押し始め、タイブレークに持ち込まれる。
 
(1’20”付近から)タイブレークに強い錦織選手には珍しく、一気に0-4と先行を許し、このサービスも西岡選手の粘りの前にブレークを許す。西岡選手が第一セット奪取をほぼ決定づけたポイントだ。

セット中盤からギアを上げていき、第一セットを奪う錦織選手の目論見は崩れたが、それでも第二セットは西岡選手が先にブレークされてしまう。

(1’50”付近から)この試合の流れを決定づけたゲーム、4-3錦織選手1ブレークアップでのサービスゲーム、鮮やかなバックハンドダウンザラインを決め、一気に流れを持っていこうとする錦織選手に、見事な粘り腰を発揮した西岡選手、ブレークポイントでは、錦織選手のフォア(側)へ、スピンの効いた見事な深いフォアハンドショットを放ち、ミスを誘ってブレークバック成功、錦織選手の落胆の様子がうかがえる。

これで流れをつかんだ西岡選手が、第二セットも6-4で連取し、ついに打倒錦織選手を果たす。

西岡選手は、この試合に限らず、どんな不利な状況においても自分のブレースタイル、ペースを崩さず、じっくりとチャンスをうかがう粘り腰を発揮する。

ワイドへのサービス、フォアはスピンボールで深く、そしてバックハンドはカウンター気味のフラットドライブ、展開によってはドロップショット、ネットプレーを使う。

そしてそれらのプレーを裏打ちする素晴らしいフットワーク、世界トップ選手との見事な試合ぶり、善戦、時には勝利することを見事に証明した一戦である。

まぐれではない!西岡良仁の強さの秘密

まずは、その体格を生かしたフットワーク。彼はどんな球でも拾い、相手に返していく。相手選手からすると、どんなにいい球を打っても返ってくると、焦ってしまい、より良い球を打たないとと、リスクを犯さなければと追い込まれてしまう。

さらに西岡選手の良いところは、フォアハンドでのスピンボールだ。体格の小さな西岡選手は、大きな選手のように、一発で決めるような威力のある球は打てない。

それをカバーするように、フォアハンドでは、ものすごく跳ねるスピンボールを打っている。

このスピンボールは相手選手からすると、力の入らない打点で球を打たされるため、甘い球を返してしまう。

また、スピンの効いたボールは、角度をつけることもできるため、相手選手をコートの外に追い出すことができる。

https://www.youtube.com/watch?v=qVY_Kb1Kz_w

ですが、プロの世界は甘くないので、そういった球を打っても、ものすごい球が返ってきてしまう。そこで西岡選手のバックハンドだ。西岡選手のバックハンドのボールはフォアハンドとは違い、ネット上に低く飛んでいくフラットボールだ。

相手選手を追い出した後に返ってきた球に対して、西岡選手は前に入って早いリズムでバックハンドを決めていく。

こういったポイントの取り方ができるからこそ、西岡選手は、大物選手たちに勝ち、トップ選手たちと渡り合うことができている。

もっと上の選手に勝つには、これだけでは足りない

テニスのツアーは、一年中試合があり、オフはひと月ほど、試合が終わればすぐに移動し、次の日にはまた試合。

この厳しいスケジュールをトップ選手と戦い抜くためには、圧倒的にフィジカルが足りていない。実際、2年前にもトップ選手と次々を破る快挙を起こしたかと思ったのち、怪我により長期離脱を余儀なくされた。

やはり、西岡選手の今のプレースタイルでは、力のある選手と対戦した際には、ものすごく体力を消費してしまう。

その問題をカバーし、トップを目指すためには、より前に入っていく技術と、ボレーのスキルと身に付けなければならない。

より前に、早いタイミングのテニスを覚えることで、一ポイントの時間を減らすことができるので、その分体力も温存できる。

ツアーを生き抜いていくためには、こういったテニスを覚えていく必要がある。
今回錦織選手に勝った試合では、こういったはやいテニスができていたため、勝利することができたと思っている。

はやいテニスができているので、これからさらに勝っていくことができるだろう。
さらに上のランキングを目指していってほしいと思う。

USオープンについて(追記:2019年10月16日)


(3分35秒あたりからがポイント。特に3分38秒のバックハンド。外に切れるサーブからの、時間を与えないバックハンドです)

その勢いのままUSオープンに出場した西岡選手は、一回戦をしっかりと勝ち抜いた。ファーストセットこそ落としたものの、その後の3セットは順調に取得することができた。

錦織選手に勝利したことが自信となったのか、USオープンという大舞台にもかかわらず、落ち着いてプレーしているように見えた。そのプレーのたたずまいはトップの選手に見られるプレーに等しく見えて、その背中からは負けを連想させる事はなかった。

二回戦で負けてしまったのだが、グランドスラムの大会で一回勝つ事はとてつもない影響がある。ツアーを勝ち抜いていく上で、グランドスラムの試合に一回でも勝利すれば、ポイント面でも、資金面でも変わってくる。

そのため、出場選手たちは、是が非でも勝利したがためにがむしゃらにプレーをしてくる。

多少の怪我を恐れないようなプレーをしてくるため、それを抑えて勝ちを手に入れる事はさらに至難となってくる。だが、トップに行く選手たちは、その中でも余裕を持ったプレーをしているように見える。

格下の選手たちががむしゃらなプレーでボールを引っ叩いて攻めてくる中、トップの選手たちは、落ち着いてそのボールをコースにしっかりと返球していく。

格下の選手はより無理をしなくてはいけなくなり、一発でミスをするシーンが多くなり、自滅で終わるような状況が増えて負けていく。かつては、西岡選手もそういった下位選手と同じようなプレーをしていて、同じように負ける印象だった。

だけど、今大会の西岡選手は、前大会からの調子の良さを継続して、大会に望み、トップ選手と同じようなプレーだった。調子の良さをフットワークからも感じ、これまででも優れたフットワークをしていたのだが、さらに素晴らしく、より前に入ることができ、相手選手は返すこともできないようなノータッチエースの球を決めていた。

さらには、追い込まれた状況でも、無茶苦茶な球を打つのではなくて、そんな状況でもしっかりとコースを狙っていく余裕があり、しっかりとポイントを奪っていた。

その自信を持ったプレーや、プレースメントは、フェデラー、ジョコビッチ、ナダルなどのトップ選手を彷彿とさせた。そのプレーから彼が負けるイメージを浮かべる方が難しい。

今彼のテニスのプレー、メンタルは最高の状態に近づいていると思う。アー後半に差し掛かっても怪我をすることなく、トップ選手並のプレーを展開し、さらには余裕すらも感じさせる。

このままの調子を維持し、来年のツアーも勝ち続け、トップ10入り、さらにはツアーファイナルの場に彼が立つ姿を見たい。世界トップ8の中に彼と錦織選手がいて、みんなでセルフィーを撮っている姿を見てみたいと思う。

海外の反応のニュース

[西岡、世界3位に惜敗も海外メディア称賛「とてつもないパフォーマンス」]
https://news.livedoor.com/article/detail/12808215/

[錦織を破った西岡良仁が食中毒で棄権と報道(海外テニスファンの反応)]
http://dimi.gger.jp/archives/nishioka-food-poison-2019-08-17.html

[西岡良仁、試合中にキリオスも笑った珍反応は? 海外反響「ニシオカは良い奴だ…」]
https://the-ans.jp/news/69332/

まとめ

西岡選手はまだ23歳と若く、もっともっと成長できるちゃんがある。現在順調にランキングの上げてきていて、大きな大会にストレートで出場することができる。

トップの選手と数多く戦うことで、そのテニスをよりレベルアップさせて、ゆくゆくは錦織選手を抜いて、日本の一番 の選手になってもらいたいと思う。

 
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