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西岡良仁選手のデルレイビーチ準決勝 アンベール選手に逆転勝ち

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テニスコメンテーターのTAMAJIです。デルレイビーチ・オープンで西岡選手が準決勝に進出しました!男子ツアーでは、錦織選手以来の日本人選手の活躍です。西岡選手自身はATPツアー初制覇した2018年の深圳オープン以来の準決勝となります。

勝てば決勝、相手は第六シード フランスのユンベール選手、さあどんな試合となったでしょうか?

アンベール選手

伝統的にサウスポーの好選手を輩出しているフランス、過去にはフォルジェ選手、ルコント選手などがテニスツアーを沸かせた。個性的な選手たちで、ファンも多かった。最近ではマナリノ選手が活躍している。アンベール選手はその伝統を引き継ぐサウスポーの21歳だ。身長187センチ、細身の体躯からしなやかなプレーでするオーソドックスなプレーヤーである。

世界ランクは44位で、今大会は第六シードでの参戦である。初戦はアメリカのコズロフ選手、2回戦はセルビアのケツマノビッチ選手、準々決勝はアメリカのティアフォー選手を連破、キリオス選手欠場をうけてこのブロックではシードを守り、ベスト4に勝ち上がってきた。初戦からサービスエースの数は12本、9本、8本と比較的多めのエース本数でサーブの切れ味を感じさせる選手だ。

アンベール選手戦戦況1

もちろん右利きの選手と試合をするケースが圧倒的に多い西岡選手、右利き選手への戦略はたけており、見事な展開力を示している。ただ同じサウスポーとの対戦はさすがに少ない。バックハンド側にスピンの効いた高いボールで攻める基本は変わらないと思われるが、サウスポーではサイドが逆になる。

この試合は天候がやや不順、雨で試合開始がやや遅れる。そして西岡選手にとっては、やや鬼門の立ち上がりサーブゲーム、アンベール選手の懐の深いストローク、切れ味鋭いショットにブレークを許してしまう。アンベール選手が安定したサーブゲームを展開したのに対し、西岡選手は2回目のサーブゲームもブレークされてしまい、0-4となるが、なんとここで降雨のため一時中断となる。

 天候による運不運はテニスにおいては伝統だ。それを味方にしたプレーヤーが勝つ。全仏における錦織選手の対チョンヒョン選手戦、2セットアップからセットオールに追いつかれた時点でサスペンデットにより順延、持っていかれそうになった流れを取り戻したこともある。

このインターバルがどう影響するかにみえたが、再開後もアンベール選手は落ち着いてサーブキープ、なんと5-0である。この一方的な流れを西岡選手がじわじわと反撃していくわけだが、どのあたりがポイントだったのだろうか?

アンベール選手戦戦況2

結局第一セットは1-6で失った西岡選手、第二セットでは苦しみながらもサーブゲームをキープ、2-1としたところで再び雨による中断となる。アンベール選手としてはこのままの流れで行きたいところ、あまり中断はしたくない。逆に西岡選手は試合後も「雨に助けられた」と語る通り、中断により悪い流れを断ち切りたいところだ。

しかしこの中断でも、大きな流れの変化はない。ただ、若干アンベール選手の勢いが収まったのは確かだろう。第二セットは互いにサーブキープを続け、西岡選手5-4で迎えたアンベール選手サーブゲームで、この試合初めてともいっていいチャンスをつかむ。アンベール選手の正確だったショットにわずかなブレが生じ、15-40とブレークポイントを握る。

ここであっさりアンベール選手がダブルフォルトを犯してしまい、第二セットは西岡選手のものとなる。

アンベール選手戦戦況3

第二セット中盤くらいから、西岡選手はアンベール選手フォア側にまずボールを集め、決めボールをアンベール選手バック側に持っていく組み立てがみられた。バックハンドもそう大きな穴はないアンベール選手だが、やはり切れ味鋭いフォアに比べればバックはやや落ちる。バックハンドでのダウンザラインショットはそう見かけない。

ストロークの応酬でも主導権は徐々に西岡選手がつかんでくる。そして相手が崩れそうなタイミングでネットをとるので、たとえ返球されてもポイントは動かない。アンベール選手のペースが明らかに変わり、少々焦り気味になってくる。時折ウィナーも決めるアンベール選手だが、明らかにエラーが増え、西岡選手はアンベール選手サーブを2連続でブレークしてしまう。

第一セットとは全く逆の展開で、西岡選手自身はすべてサーブをキープ、5-0と圧倒し、なんと6ゲーム目のアンベール選手サーブをもブレーク、ランキング44位の第六シードに第三セットを6-0で奪い、2試合続けての逆転勝利だ!

西岡選手次の相手は?

西岡選手がツアー2度目となる決勝進出を果たした。そしてその相手は、ラオニッチ選手とのビッグサーバー対決を制した巨漢のオペルカ選手である。 記憶に新しいニューヨークオープンで、両者は2回戦で激突している。この時は西岡選手がオペルカ選手のサーブを最後まで攻略できず、ストレートで敗退の憂き目にあった。

今回決勝での再戦となるわけだが、オペルカ選手を徹底的に研究しているはずだ。練りに練った戦略で、なんとかこの強敵を倒して優勝してほしい。

今日の西岡選手 ツイート

さあ決勝!

ハイライト動画もtwitterに出ておりますが、これぞ西岡選手本領発揮、真骨頂の映像です!
アンベール選手たまらずミスを連発!

wowow

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