引用元:DAZN
こんにちは。
マンチェスター・シティ大好き松嶋俊です。
プロのチームのコーチをしていて大好きなマンチェスター・シティについて解説をインスタ・ティックトックで行っています。よければどうぞ。
プレミアリーグ第13節が15日に行われ、10位のマンチェスターシティと19位のウェスト・ブロムウィッチが対戦しました。
前節のマンチェスターダービーで、不完全燃焼に終わったシティは、この試合で結果、内容ともに圧倒して3ポイントを確実に奪いたいところでしょう。
そろそろエンジンをかけていかないと、上位とのポイント差も巻き返せないところまできつつあります。
対するウエストブロムウィッチは格上相手に1ポイントでも奪えれば御の字でしょうし、実際いまのシティ相手なら勝利することもできるのではないかと意気込んで臨んでくることでしょう。
シティはガブリエウ・ジェズス、ラヒーム・スターリング、ケヴィン・デ・ブライネらが先発。セルヒオ・アグエロもベンチに戻ってきました。
目次
1.両チームの情報
1-1.マンチェスターシティ メンバー
マンチェスターシティ スタメン 4-3-3
1-2.ウエストブロムウィッチ メンバー
対するウエストブロムウィッチは「ゴール前にバスを停める」ような守備での破綻を許さないようなシステム配置で臨みます。
ウエストブロムウィッチ スタメン 4-5-1
2.この試合キーポイントとなった箇所を解説
2-1.数的優位
試合開始早々から4-5-1(5-4-1にもなる)の守備的な配置で試合に臨むウエストブロムウィッチに対して、マンチェスターシティは前に人数をかけてビルドアップをしていきます。
※「マンチェスターシティ」:ブルー、「ウエストブロムウィッチ」:シルバー、「→」:人の動き
敵の前線守備はFWが一枚だけなので、CBのディアスとアケだけでボールを動かし、右サイドバックのカンセロは少し内側に入り、右サイドハーフのスターリングが外に張ります。
逆に左サイドは、サイドバックのメンディが高い位置に入り、サイドハーフのフォーデンが少し内側に入るような形を取ります。
これは選手の特性を生かした配置で、縦に行くことが出来るスターリング、メンディを外側に張らせることで、サイドで仕掛けられる形を作ることが狙いでしょう。
また、カンセロを少し内側に入らせて、敵FWの脇でボールを受けることでボランチの役割を果たし、ギュンドアンがもう一列前に上がっていく事ができる。
2-2.ロドリとギュンドアンの関係性
ウエストブロムウィッチの固い守備の前に攻めあぐねる時間帯が続くシティですが、ギュンドアンを徐々に前線と関わらせて、ビルドアップはロドリが一人で担当する役割へとシフトしていきます。
敵の前線守備は1人なので、いつものシティのように、最終ラインにボランチの選手が落ちる必要もなく、ロドリ一人で敵1トップの周りでボールを受け、前線にパスを供給していました。
2-3.ロドリの配球力
敵が前線から積極的に守備をしてこない展開の中で、私の中でやはり懐疑的なのは「ロドリのポテンシャル」です。
上手いのは上手いのですが、気の利いたパスといいますか「攻撃のスイッチ」が入るようなパスを出すことが少なかったですね。
これは、今回の試合に限らず、私がシティを見ていてずっと感じていることです。なぜ、グアルディオラ監督はロドリを重宝するのか、フェルナンジーニョのではなくなぜロドリなのか色々考えていました。
2-4.守備のタスク
基本的にボールを保持する時間帯が長いシティにおいて、中盤の守備の役割としては「リスク管理」が主な仕事になります。
今回の試合でも、敵のカウンター狙いに対して、ロドリとギュンドアンのどちらかがバランスを取っていましたが、その役割は主にロドリが担っていました。
その中で、ロドリ自体の守備スキルは高いのか?ということが気になります。
この試合でも、今までの試合でもそうなのですがロドリは敵のボールホルダーに「アプローチ」つまり「プレッシャー」に行く際の寄せの速さが遅いように感じます。
敵がボールを受ける前に自由を奪う、できればインターセプトできるような「鋭い寄せ」がロドリにはありません。
その点、フェルナンジーニョの寄せの速さは「忍者」のようです。ササっと素早く敵に寄せてボールを奪い取ってしまいます。
守備のスキルに関しては、フェルナンジーニョの方が優れていると考えます。
2-5.攻撃のタスク
では、攻撃時のタスクはどうでしょうか。
最終ラインに落ちて、もしくは敵FWの間や脇でボールを引き出すことを担当しているロドリですがパスを周りに「散らしている」印象が強いです。
どちらかというと前へというよりは、左右にパスを供給しているイメージがありますね。
この試合でも、左右にパスを散らしている感じでしたが、時折デブライネが敵の2、3列間に顔を出してパスを要求していましたが、ロドリは出さずにパスを散らしていたので、デブライネがイライラしている様子が窺がえました。
100パーセント成功するパスコースばかりではなく、奪われる可能性もあるが「通ればチャンス」になるようなコースへ、「グサッ」と敵の守備組織に刺すようなパスを出すシーンがこの試合でもあまりなかったですね。
少し古いですが、【ヤヤトゥーレ】なんかはそういうパスを出すのがとてもうまかった気がしますね。
この試合を見る限り、攻めあぐねていた原因はボランチからの攻撃のスイッチが入るような、このパス一本で攻撃のリズム、速度が上がるようなパスがなかなか出せなかったからだと私は思います。
そんな中でも点を奪ったマンチェスターシティ。
先ほど説明したように、内側に入ったカンセロに、外側張ったスターリングがパスを送ります。
パスを出した後スターリングは敵の内側から「ヌルっと」背後に飛び出しワンツーのような形で敵陣深くでカンセロのスルーパスを受けます。
敵最終ラインがスターリングのクロスを警戒して足を止めて構えている中で後方からギュンドアンがマイナスのスペースへと走り込み、スターリングは「マイナスへのクロス」を送り、ギュンドアンが難なく決めました。
この『マイナスのクロス』はすごく効果的で、この得点シーンのように、敵陣深くでボールを受けることが出来た際、敵のDF陣はクロスを警戒して、足を止めて構えてしまう傾向があるので、そこにマイナスのクロスを送り込めば、敵DF陣足が止まった状態なので、すぐに反応してボールに寄せることが難しく、意外とあっさりフリーでシュートを打つことができるのです。
しかし、今年のマンチェスターシティはなかなかうまくいかず、得点後しばらくして、敵のセットプレー崩れから失点してしまいます。敵が打ったシュートがDFのディアスに当たってコースが変わっての失点だったので、アンラッキーな部分もありますが、これが入ってしまうところに、マンチェスターシティの勢いのなさが窺えますね。
後半もボールを保持する時間が続きますが、ウエストブロムウィッチの5-4-1、時には『6-3-1』にもなる固い守備の前になかなか得点が奪えません。
試合終盤に、「チャンス製造機」のデブライネのクロスからギュンドアンやスターリングが決定的なシュートを放ちますがうえGKに阻まれ1対1で試合は終了。
勝たなければいけなかった相手に勝ち点2を落とすような結果になってしまいましたね。
3.まとめ
リーグ戦でなかなか結果を出すことができないマンチェスターシティ。ここで私からの提案が・・・(笑)
デブライネをボランチで起用してみてはいかがでしょうか?
先ほど説明したように、ボランチからの『攻撃のスイッチが入るパス』をなかなか出せない現状の中で、デブライネがボランチをやれば一発で解消されます。
そして、守備の負担は守備のスキルが高いフェルナンジーニョに任せ、デブライネは攻撃の組み立てに専念し、後方から鋭いパスをバンバン出してもらうのはどうでしょうか。
デブライネの抜けた前線は、私が密かに推している「シウバ」がおすすめ!!
フォーデンとシウバが敵の嫌がる位置でデブライネから鋭いパスを受けて攻撃のスイッチを入れていけば面白くなるんじゃないかな~なんて勝手に考えています!!(笑)
次節は12/19 サウサンプトン戦。難しい相手ですがぜひ勝利してもらいたいですね!!
マンチェスターシティ含めプレミアリーグはDAZNで絶賛配信中ですので、ぜひご契約し、世界トップクラスのフットをお楽しみください!!