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貴乃花親方が謝罪  暴力問題はどこに向かうのか

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26日日本相撲協会は、理事会を開き八角理事長の再選を決定した。また相撲協会と対立していた貴乃花親方が告発状を取下げる旨の発言をし、謝罪の弁を述べた。そして相撲界は元に戻ってしまった。

暴力根絶への険しい道のり

先の貴ノ岩の事件でまたしても浮き彫りなった相撲界の暴力体質。同時に相撲協会の怠慢な対応にも批判が相次いだ。被害者の貴ノ岩の師匠貴乃花親方は、暴力事件を問題視し、警察に対応を一任。このことを問題視した相撲協会と貴乃花親方の対立が続いていた。

貴ノ岩の事件が明るみに出てからも、春日野部屋での暴力事件が発覚したりと、相撲界では暴力は日常茶飯事という印象を植え付けてしまった。その中で起きた、先日の春場所での貴公俊の暴力事件は、暴力根絶の難しさを露呈する形となった。

相撲協会の隠蔽体質

春日野部屋での暴力事件は、相撲協会は把握していた事実で、適正な対応をしたとなっている。しかし、暴力事件は明るみには出ていなかった。内部で処理する体質は今後も変わることはないだろう。

もし仮に、貴ノ岩の件でも、貴乃花親方が協会に対応を一任していたとしたら、日馬富士も引退せず、事件も表に出なかった可能性もあるのではないか。

傷害事件として扱われなかった案件も、調べれば多く出てくるのではないかと勘ぐってしまう。このような世界に入りたいと憧れる人も少なくなっていくだろう。

一貫していない貴乃花親方の姿勢

このような協会の体質を改善する人材として、貴乃花親方に期待していた人は多かったろう。振る舞いにおいて批判されるべき点もあったが、協会の体質を改善し、暴力を暴力として扱う姿勢は素晴らしかったはずだ。

それが、今回弟子が加害者となったことで、一連の騒動を謝罪し、告発状まで取下げるのは一貫性がないのではないか。それこそ、親方として弟子の行為を謝罪し、弟子に猛省を促し、然るべき処分を受けるべきだったのではないか。

そして、どのような暴力的行為も見逃さず、根絶を矢面に立って訴えるのが筋だったのではないかと思う。貴乃花親方が一貫していたのは弟子の為を思い批判し、都合が悪ければ守ったりする消極的な姿勢だけであった。

 

元に戻った相撲協会

対立の構図も、表面上はなくなり、理事会も新しい何かを感じさせるものではない。それに現代では、昔のように暴力が肯定されることはない。

それでも相撲協会が内部意思で進む先には、体質が改善されることは内容に感じる。そういう意味では、対立こそすれ意見を言う人材が消えてしまったのは残念でならない。

貴乃花親方が早々に理事に復帰することはないだろうが、時間をおき理事選に出馬することはありえるだろう。知名度やカリスマ性でいったら貴乃花親方の右に出るものはいない。

当面は弟子の育成に努め、何年後かに理事会のトップとして相撲界の改善に取り組む姿を期待したい。

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