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なぜ、セ・リーグはパ・リーグより弱いのか?考えてみた

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最近のプロ野球では、パリーグのチームがセリーグのチームを圧倒することが当たり前の光景になりました。日本シリーズ、交流戦ではもちろんのこと、日本代表試合でも主力メンバーの多くがパリーグのチームから輩出されています。

どうしてここまでリーグ間の実力差がついたのでしょうか?セリーグファンのみならず、プロ野球ファンの一人としてその要因について考えてみたいと思います。

1,DH(指名打者)制度の有り無し

最近取り挙げられることが多いテーマの一つですが、DH制度があることで野手を9人、レギュラーメンバーとして使うことができます。

守備に不安がある選手や、故障上がりの選手を積極的にDH起用することでベンチワークの幅が広がりますし、経験値が低い若手選手の育成にも役立ちます。

守備を度外視したパワーに定評のある外国人は一番恩恵を受けやすいと思います。あとは投手が打席に立つ必要がないので、チームの打線レベルが向上、得点力も上がります。

逆を言えば対戦する投手も、これまで以上に気の抜けない高いレベルの投球が要求されますが、バントなどを伴う打席が免除されるので、投球に専念しやすくなる側面もあります。

DH制度は、打者、投手それぞれにおいて、育成面においては有利に働いているといえます。

2,打撃スタイルの違い

パリーグの選手はとにかく振りが鋭い選手が多いイメージです。普段セリーグ野球を主に観戦している人には、交流戦で強く感じる部分ではないしょうか?

スラッガータイプの選手だけでなく、パワー控えめと呼ばれるような選手でも、力強いスイングの選手がパリーグには多いのです。その為、ボールの飛距離もさることながら、セリーグ打者の打球なら相手野手が捕球できそうな内野ゴロでも、パリーグ打者の場合は打球が早いので、内野手の間を抜いてしまうのです。

ジャイアンツやイーグルスなど両リーグでコーチ経験を持つ、現ヤクルト2軍チーフコーチの橋上秀樹氏も、著書「参謀論(徳間書店)」の中で、

セリーグの打者は鋭く振り切ることよりボールを捉えることを優先させるが、パリーグの打者はその優先順位がセリーグとは逆である

という主旨を述べられていました。打撃スタイルの違いを説明する上では、かなり的を射る表現だと思いました。

3,マスコミとファンによる注目度の違い

セリーグはジャイアンツを筆頭に、マスコミの注目度がパリーグよりも高いといえます。特に全国区のジャイアンツや関西地方のタイガースなどは、ファンの数も多いのでどうしても注目されがち。

少しの連勝連敗による順位変動だけで話題にあがります。皆から注目されるのはプロとして喜ばしいことかもしれませんが、ファンやマスコミの過度な肩入れによって、良い成績を残せなかった監督や選手、さらには球団までも非難中傷の的にされることもあります。

その結果、育成に重点をおいたしっかりしたチーム作りよりも、目先の勝ちや成績にこだわる短期的方針を取ることで、FAでの選手獲得や外国人に依存する即席型のチーム作りに陥りがちです。

安定したチーム作りは正に長期戦略があってこそ。監督が交代するごとに、フロント人事が入れ替るたびに、方針が変わっていては強いチームはできないと思います。

4,パリーグチームの連帯感

パリーグでは、優勝を目指す為にはソフトバンクホークスを必ず意識することになります。ホークスには3軍制度もあるように、選手層も厚く、資金力も桁違い。それでも、毎年それなりに混戦したペナントレースになったりするのは、独自色でホークスに対抗している他球団フロントの意識の高さだと思います。

パリーグは、2004年の球界再編問題での消滅騒動を経験したことで、危機管理意識がより高まった印象です。実績に乏しい若手選手の積極起用などグランドレベルの努力以外にも、レディース層を新たなファンに取り込むイベントを行うなどファンサービスでも常に前向き姿勢です。

何より、ネット配信のパリーグTVに代表されるように、パリーグ全体で人気と実力を押し上げようという機運があり、それがチーム力、リーグ力にも反映されているのだと感じます。

まとめ

セリーグとパリーグの実力差問題は、一言で表わすには難しいテーマです。

どんな業種でもレベルの高い相手がいれば、己は必然的に努力せざるを得ない。その切磋琢磨の結果、互いの力量が上がれば、その業界全体に活気を呼び込むことができます。

これまで以上にセリーグとパリーグが協力し合えれば、均衡した力関係を生み出せると信じていますし、野球界のさらなる発展につながることを願っています。



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