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【マンC封じが見事的中】マンチェスターシティ vs トッテナム (プレミアリーグ第9節)

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こんにちは。
マンチェスター・シティ大好き松嶋俊です。


イングランド・プレミアリーグは第9節が行われ、マンチェスターシティはアウェイでモウリーニョ監督率いるトッテナムと対戦しました。インターナショナルマッチウィーク明けに行われたビッグマッチで、リーグ中断前までは波に乗り切れないマンチェスターシティですが、リーグ中断期間でどこまでチームとしてリフレッシュできたのか。

さらに先日のニュースでグアルディオラ監督が2年間の契約延長に合意したと発表しました。契約延長が正解だったと示したいクラブとグアルディオラ監督は何としても結果を出したいところでしょう。

ましてや相手は好調トッテナムですから、このチームに勝利することが出来ればサポーターも納得するのではないでしょうか。一方のトッテナムはリーグ3連勝中と好調の中でインターナショナルマッチウィークに突入し、水を差された感じになりましたが、リーグ中断前の勢いをキープできているかがポイントでした。

1.両チームの情報

1-1.マンチェスターシティ メンバー

今季まだ連勝がなく今一つ波に乗り切れないシティは、戦列復帰したアグエロ、スターリング、フォーデン、ギュンドアンがベンチからのスタートとなりました。

 

マンチェスターシティ メンバー

 

参考映像の引用元:DAZN

1-2.トッテナム メンバー

トッテナムはベイル、ルーカス・モウラがベンチに座り、ベルフワインが左サイド、ソン・フンミンが右サイドという意外な位置でスタートしました。

 

トッテナム メンバー

 

参考映像の引用元:DAZN

両チームのシステムは画像の通りで、マンチェスターシティは4-3-3で、トッテナムは4-2-3-1を採用(ソンフンミンとベルフワインは逆になる)

2.マンチェスター・シティのシステムについて~カンセロのボランチ化

マンチェスターシティはこの試合、攻撃時に左サイドバックのカンセロをロドリの隣に移動させ、ボランチとしての役割を果たしていました。

4-3-3の本来のシステムから、ウォーカー、ディアス、ラポルトの3バック気味でビルドアップし、トーレスを左ワイド、マフレズを右ワイドに、そして左サイドバックのカンセロがボランチの位置に移動し、ロドリとダブルボランチぎみに配置し、デブライネとシウバの2シャドーにジェブズの1トップという『3-4-3』へとシステムを可変させて攻撃していました。

●可変システム

 

 

参考映像の引用元:DAZN

このシステム可変のメリットは、通常の4枚でビルドアップする際、サイドバックがボールを持つと、前方のサイドハーフとは『縦関係』になってしまい、パスを出す方も受ける方も繋がりづらいですが、後ろを3枚にすることで、サイドのラポルトとウォーカーが少し内側に立つことにより外との角度が生まれ、両ワイドのトーレスとマフレズへの『外への選択肢』を持つことができます。

しかも、その両ワイドが高い位置を取ることにより、参考映像の中で起こっているようにトッテナムのソンフンミンとベルフワインが付いて行くしかなくなり、敵の攻撃陣が守備に割く時間を多くするのも狙いでしょう。

このシステムの可変により、ゲームを通してマンチェスターシティがボールを支配する時間が長くなったと考えます。

3.トットナム戦キーポイント

 

3-1.一番のミス

 

「最初のゴールを与えてはいけないと試合前から理解していた」

 
試合後のグアルディオラ監督からのコメントでも分かる通り、モウリーニョ監督を相手にする際、一番しちゃいけないミスは「先制点」を奪われること。なぜなら、モウリーニョ監督は先制点を守り切れる戦術を持っているからです。のちほど紹介しますが、この試合でも、モウリーニョ監督は面白いシステムで守備を実行しています。

慎重に進めなければいけない中で、いきなりグアルディオラ監督の計画が大幅に崩れます。前半4分、ピッチ中央でマンチェスターシティがファールを取られ、ゲームが少しストップし、集中が少し緩まった瞬間『絶好調男』ソンフンミンに出し抜かれ失点してしまいます。

●トットナム先制点

 

 

参考映像の引用元:DAZN

少し止まったような時間の中で、その隙をつかれた形でしたが、私が思うにすごくお粗末な失点でした。トッテナムのFWはハリー・ケインの少し降りるアクションに対して、マンチェスターシティのCBのラポルトとディアスの2人ともが付いて行ってしまうというトップレベルではありえないミス。

声1つで解決できる簡単なシーンでしたが、それが出来ていないところに、今のマンチェスターシティの現状が窺えます。

先制点を奪われたことで、無理矢理にでもトッテナムのゴールをこじ開けにいくマンチェスターシティは左サイドを中心に攻めていきますが「ちょっとしつこいな」という印象で、同サイドばかりで攻撃してしまいます。

●マンチェスター・シティ 左サイドで攻めあぐむ

 

 

参考映像の引用元:DAZN

もっと大きく速く左右にボールを動かして、トッテナムの3ボランチ気味の中盤をとにかく走らせ、選手間の距離を広げさせるようなボールの動かし方をすることで、シウバ、デブライネへのパスコースが空いてくると思うのですが、この試合のマンチェスターシティは一人一人のボールを持つ時間が長く、テンポ良くボールを動かすことが出来なかった印象でした。

3-2.トットナムの『瞬間5バック』

マンチェスターシティ攻めあぐねる背景には、トッテナムのある守備戦術がうまくハマったことも原因の一つです。トッテナムはマンチェスターシティがサイドの高い位置でボールを持たれた際、3ボランチのサイドの選手を味方サイドバックと味方CBの間に下げることで瞬間的に「5バック」を構成し守備をしていました。

その理由は、マンチェスターシティの基本的な攻め方として、サイドでボールを持った際に、シャドー(インサイドハーフとも呼ぶ)の選手、この試合であれば、デブライネとシウバが背後を狙いに行くアクションを起こしますが、その背後のスペースを使わせないことが目的だったのではないかと思います。

●トットナム 瞬間5バック

 

 

参考映像の引用元:DAZN

マンチェスターシティは、トッテナムの『瞬間5バック戦術』を前に全くと言っていいほど、見せ場を作れません。そんな中さらにマンチェスターシティを窮地に追い込むように2失点目を許してしまいます。

●トットナム2点目

 

 

参考映像の引用元:DAZN

この2失点目で改めて私が思うことは「フェルナンジーニョがいればな~」でした。

3-3.ロドリへの不安

 
ロドリ

参照元:Yahoo

偉そうで申し訳ありませんが、私は以前からロドリについては懐疑的でしたが。確かに、高い技術があることには何の疑問もありませんが、マンチェスターシティのプレースピードに攻守にわたってロドリだけが合っていない、特に守備に関して『気が利かない』イメージがありました。

この試合の2失点目でそのイメージは確信に変わりました。

攻守ですべてのバランスを司るアンカーボランチというポジションで、特に大事なのが味方が攻撃時での【リスク管理】です。

前がかりになった攻撃的な中盤の中で、アンカーボランチだけはボールを奪われた際のリスクを気にかけ、ピンチの目を摘むポジショニングを粛々と取り続けることが出来るのが優れたアンカーボランチだと思っています。

しかし、2失点目でのロドリは、そのリスク管理という仕事を完全に放棄していました。自分の背中にトッテナムのハリー・ケインがいることを知っていたのか知らなかったのかは定かではありませんが、フリーにしたまま攻撃に参加し、味方のパスミスでボールを失った刹那、まんまとそのハリー・ケインにボールが渡り失点の起点を作られてしまいました。

これがフェルナンジーニョであれば、防げたのでは?と考えてしまいます。

しかし、フェルナンジーニョはチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節でポルト戦で負傷し、4~6週間の離脱を余儀なくされています。
他にアンカーボランチができる選手はギュンドアンがいますが、フェルナンジーニョほど、気の利いた選手ではないでしょうし、彼の復帰はマンチェスターシティの上昇には必要不可欠でしょう。

4.まとめ

最後までトッテナムの牙城を崩すことが出来なかったマンチェスターシティはそのまま0-2で敗戦し、8試合消化時点で勝ち点12で、10位と低迷を続けています。

そんな中で私が考えるマンチェスターシティの現状からの解決策は「サッカーの原点」を見つめ直すこと。マークの受け渡し、リスクの管理など、今回失点につながった部分は、どれもサッカーの原理原則を実行していれば対処できたシーンです。

もう一度、簡単な部分の確認と修正をトレーニングの中で行っていくのが大事なのではないでしょうか。

次のマンチェスターシティのゲームは26日、チャンピオンズリーグのオリンピアコス 戦です。実力差があるチームとの対戦なので、できていなかった「当たり前」の部分を見直すには良い相手だと思います。

丁寧な戦いを意識し、復調のきっかけにしてもらいたいですね!!

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