2020~2021シーズンのフォーメーション

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マンチェスターシティの「0トップ」「偽9番」のシステム(フォーメーション)とは?参謀リージョの考え方を基に解説

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こんにちは。
マンチェスター・シティ大好き松嶋俊です。
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ここにきて快進撃を続けているマンチェスターシティ。序盤の不調はどこ吹く風で、直近のリーグ戦でモウリーニョ率いるトッテナムを3-0で粉砕し、公式戦では何と16連勝!!

デブライネや、アグエロなど、チームの中心選手を怪我やコロナの影響で欠く中、それを感じさせないほどの戦いを見せています。

今回はそんなマンチェスターシティと「システム(フォーメーション)」について書いていこうと思います。

1.過去3年のシステム(フォーメーション)の移り変わり

過去3年から現在に至るまでのマンチェスターシティのシステムを見てみましょう。

1-1.≪2018~2019シーズンのフォーメーション≫

2018~2019シーズンのフォーメーション

システムは4-1-4-1や4-3-3ともいえるでしょうか。人は変わるものの、マンチェスターシティはこのシステムを軸にシーズンを戦い、見事チャンピオンになっています。

1-2.≪2019~2020シーズンのフォーメーション≫

2019~2020シーズンのフォーメーション

基本的なシステムは昨シーズンと変わらず、4-1-4-1、4-3-3の布陣で戦っていますね。このシーズンはリヴァプールに独走を許し、チャンピオンの座を明け渡してしまいます。

2018~2019シーズンと違うのが一つあり、センターバックを担う選手のチェンジに、グアルディオラ監督の思惑が見え隠れしていますね。

2018~2019シーズンは、センターバックのポジションをラポルテやストーンズ、コンパニ、オタメンディといった本職の選手が務めていました。

しかし、2019~2020シーズンは本職の選手の怪我や、クオリティの問題で、本来ボランチが本職であるフェルナンジーニョがセンターバックを務める機会が多くなりました。

これは、ただ、センターバックの選手が不足しているからという問題だけではなかったような気がします。グアルディオラ監督は最終ラインからのビルドアップ、いわゆるボールをスムーズに前に運んでいく作業に満足がいってなかったのではないでしょうか。

近年、センターバックは守るだけでは務まらないポジションになってきています。足元の技術に長け、長短織り交ぜたパスを正確に通すセンスや、自らボールを持ち運び、チャンスメイクする能力も必須になってきています。

それらの能力に対して、グアルディオラ監督は当時、既存のセンターバックの選手たちに物足りなさを感じていたのではないでしょうか。

そこでグアルディオラ監督がセンターバックに起用するのが、本来ボランチのフェルナンジーニョです。

フェルナンジーニョはボランチの選手なので、足元の技術はもちろんのこと、中盤で常に激しいプレッシャーを受けながらも、スムーズなプレーをすることができるので、最終ラインに下がって受ける敵のプレッシャーなど、ないのも同然です。

パスセンスもあり、持ち運んで敵を引き付けて味方をフリーにする術も持ち合わせているフェルナンジーニョはグアルディオラ監督の「安定を保ちながらボールを運ぶ」という理念を体現できる選手です。

しかし、デメリットもあります。

本職の選手と比べて、守備の強度は低下してしまいます。身体のサイズも大きくないですし、ヘディングやフィジカルも本職の選手と比べると、そこまで強くないフェルナンジーニョは、最終ラインで相手の狙い所になってしまいます。

それでも、グアルディオラ監督が起用を続けたのは、守備よりも安定したボール運びを選んだからでしょう。

1-3.≪2020~2021シーズンのフォーメーション≫

現在の最新のシステムはこんな感じでしょうか。

2020~2021シーズンの序盤はなかなか勝てない時期が続きました。センターバックの選手の不在や、ストライカーの不在で選手が固まらず、苦戦しました。

しかし、その回避方法を見つけたグアルディオラ監督はチームを見事生き返らせます。

その一つが「0トップ」「偽9番」の導入です。

上の画像では、1トップの位置にジェブズというストライカーの選手を置いていますが、ジェブズも怪我の影響で不在の時期が続いていました。

そのストライカー不足の時期に1トップの位置に起用されたのがデブライネです。


マンチェスターシティの『キング』で、中盤で君臨していた男を、グアルディオラ監督は1トップの最前線で起用しました。

その理由をグアルディオラ監督は、

「我々には40メートルのアクションができたり、素早いトランジションができる選手がいない。(それができるのは)スターリングやケヴィンだけかもね…。我々はボールを持ってプレーしなければならない。GKからストライカーまでボールは芝の上にある必要がある。1000回のパスをして、適切なタイミングで攻撃する」

とコメントし、ストライカーにボールを集めてバランスを崩してでも突破を試みるのではなく、確実に突破に入れるタイミングまで、確実にボールを保持しながら攻撃をしたいという意図が見えます。

ストライカーではない選手がストライカーの位置に立って、それぞれ周りの選手と入れ替わって動くことにより、的を絞らせずにプレースピードを高め、相手守備陣を混乱させることができました。

この「0トップ」「偽9番」を採用することで、中盤に人数が増え、数的優位を作り出せるので、安定してボールを持つことができるようになったことも、シティが調子を取り戻すことができた要因の一つでしょう。

2.参謀リージョの考え方


参照元:soccer digest

かつてはヴィッセル神戸でも指揮を執っていたリージョ氏。現在はマンチェスターシティのアシスタントコーチとして、グアルディオラ監督を支えています。

そんなリージョが考えるシステムとは。

「戦術システムについて、クラブやメディアに言われることがしばしばある。例えば『4-2-3-1はバランスが良い』とか。でも、私にとってフォーメーションなど数字の羅列で、何の意味もない。それがいいというなら、そう見せてあげてもいいと思っている」

システムばかりに気を取られすぎている私にとっては大変耳の痛い話です。(笑)

「4バック? 3バック? すぐにそうやってサッカーを捉えたがる人がいる。その単純化は、思考停止にさせる。試合の中、人やポジションが入れ替わることができなければ、サッカーは話にならないんだ」

ともコメントし、選手の特性を考え、選手間のコンビネーションの中で、やるべきこととやってはいけないことを明確化することが大事だと語っています。
 
選手の特性を考えるとはどういうことなのか。

マンチェスターシティの戦い方の中で、分かりやすい例がある。

「0トップ」「偽9番」と共に、今シーズンマンチェスターシティが採用している戦術の一つが、左右のサイドバックを担当するジョアン・カンセロの「インサイド化」です。サイドバックの概念を越え、プレーメーカーのようにインサイドに入って、幅を作りながら攻撃の厚みを出す戦術は、現在絶大な効果を発揮しています。

 

 

参考映像の引用元:uefatv
【動画解説】

左サイドでから展開されてきた際、右サイドバックのカンセロは本来サイドバックがいるポジションではない、かなり内側にポジション(ほぼセンターサークル内)にいます。

その外側に大きく張り出しているのはマフレズで、そのマフレズにボールが出ます。得意のドリブルで仕掛けるマフレズに対して、カンセロは内側から縦にランニングをかけて、攻撃に絡んでいきます。

サイドバックのオーバーラップとはまた違った形での攻撃参加は敵からしてみれば、非常に捕まえづらい存在になっていま

リヤド・マフレズのようにサイドに張り付き、1対1の突破に特化した選手と組む際に、サイドバックのカンセロとサイドハーフのマフレズが同じラインに立たないように、カンセロがインサイドに入ることで敵の中間にうまく立つことができ、敵が守備しにくい形を作り出すことができています。


しかし、それだけではなく、サイドハーフがマフレズではなく、シウバのように中に入って違いを作るタイプのような選手と組むときはカンセロは外に張り、本来のサイドバックとしての役割を遂行します。

このように選手の特徴、ストロングを上手く組み合わせながら、スタート時のシステムから変化させて戦うのがマンチェスターシティの強みであると考えます。


3.まとめ

リージョは最後にこうも語っています。

「たとえばディフェンスの選手なら、シュートに対して最後は顔面を差し出す、という気概が最後は必要になる。そのシュートのコースを変えることで、自分たちの運命が変わる。『あ、シュートしたなぁ』と突っ立っていたら、運命を引き寄せられるはずがない。その覚悟、責任を持てるか。結局、サッカーはそこで決まるんだ」

 
近年、フォーメーションやシステムについて、よく議題に上がったり、論争になったりしています。ですが、本来サッカーの本質は「目の前の敵に負けない」「絶対ゴールを決めてやる」といったメンタルの部分で上回ったチーム、選手が勝負を決めることが多いのです。

どれだけ、フォーメーションのバリエーションを持っていても、どれだけシステムを整備しても、結局は選手個人個人の気概で勝負は決まるのです。

世界の名だたる選手たちは強いメンタリティをみんな持っています。

そこに、洗礼されたシステムや、フォーメーションが融合することで強いチームとなっていくのです。

私たちも、目新しいシステムやフォーメーションに気を取られすぎず、もっとサッカーの本質の部分に目を向けていくべきかもしれませんね。


 
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