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「カンセロロール」が話題!ジョアン・カンセロという『司令塔』に迫る

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こんにちは。
マンチェスター・シティ大好き松嶋俊です。

SNSで解説をしています。よければどうぞ。

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「0トップ」「偽9番」と共に、今シーズンマンチェスターシティが採用している戦術の一つが、左右のサイドバックを担当する ##ジョアン・カンセロ の「インサイド化」です。 ##マンC ##プレミアリーグ ##サッカー最高 ##戦術解説

♬ オリジナル楽曲 - 松嶋俊 マンチェスターシティ大好き

UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメント1回戦1stレグが現地24日に行われ、マンチェスター・シティがボルシアMGを2-0で下しました。

この大事な一戦で、輝きを放ったのが、左サイドバックで出場したジョアン・カンセロでしょう!!

そこで今回はカンセロについて書いていきたいと思います。

1.ジョアン・カンセロ


母国ポルトガルのSLベンフィカのユースチームにて育ち、2014年トップチームに昇格を果たします。2014年、スペイン・リーガ・エスパニョーラのバレンシアCFへレンタル移籍、2015年に完全移籍します。

そして2017年イタリア・セリエAのインテル・ミラノにレンタル移籍し、活躍が認められ、2018年、同じイタリアのユヴェントスFCへ移籍。

イタリアの超名門チームで実力をつけ、 2019年マンチェスター・シティFCに移籍し、ついにプレミアでプレーすることになります。

移籍初年度は、マンチェスターシティの特殊な戦術を身に付けるのに苦労していたのか、なかなか定位置確保とまではいきませんでしたが、2020~2021シーズン現在、マンチェスターシティはもはやカンセロを中心に攻撃を組み立てていますね!!

驚くべきは、攻撃の中心であるカンセロが『サイドバック』の選手だということ。

本来のサイドバックの定義は、サイドに張って、ボールを受け、FWやSHにボールを預け、サイドを駆け上がってクロスを上げて、また戻るといった「上下動」を繰り返すイメージでしょう。

しかし、近年グアルディオラ監督のもと『偽サイドバック』という、ビルドアップ時にサイドバックがインサイドにポジショニングし、逆にサイドハーフが外に張り出し、サイドバック、サイドハーフが同じラインに入らないように意識してポジショニングする戦術を採用。

偽サイドバック

その代表格となる選手が、かつてグアルディオラ監督がバイエルンで指揮をしていた際に活躍したフィリップ・ラームという選手で、初めて偽サイドバックというものを体現した選手ではないでしょうか。

参照元:GOAL

グアルディオラ監督はマンチェスターシティの指揮をすることになっても、『偽サイドバック』構想は常に持ち続け、様々な選手がその役割を担ってきました。

ダニーロ、ファビアン・デルフ、オレクサンドル・ジンチェンコなどが挙げられますが、今挙げた3選手はいずれも「生粋」のサイドバックではないということ。

ダニーロ、デルフは主に守備的MFでしたし、ジンチェンコは母国の代表ではトップ下で出場するなど、攻撃的MFです。

グアルディオラ監督はそういった、足元に技術のある中盤の選手たちに「偽」という役割を与え、サイドバックとして起用してきたのです。

しかしここにきて、「生粋」のサイドバックでこの「偽」の役割こなせる選手が出てきたのです。それが『カンセロ』なのです!!

「カンセロロール」とまで名付けられたこの戦術は驚くほどにフィットし、マンチェスターシティの快進撃を支えています。

2.偽サイドバックの優位性

グアルディオラ監督はなぜこの偽サイドバックを採用するのか。

まず、第一は中盤に+1することでビルドアップの安定性を確保すること。

ですが「それじゃ、初めからダブルボランチにするなりして中盤に人を置いておけば良いのでは」と思うかもしれませんが、サイドバックが中に入るという「イレギュラー」な状態を作り出すことで、敵が捕まえきれない状況を作る狙いもあります。

カンセロは、敵を見て、自分が中に入る必要がない時は外に張ったままでいますし、大事なのは『敵を観察しながら』適時にインサイドに入っていく事だと私は思います。

そのタイミングがカンセロは上手いのではないでしょうか。

●参考映像
 

 

この映像のようにタイミング良く中に入ることで、敵に捕まりにくい状況を作り出し、パスを受けなくても、サイドに張ったサイドハーフへのパスルートを確保することができたりと、メリットをもたらします。

チャンピオンズリーグのボルシアMG戦でカンセロは、サイドバックながらタッチ数「118回」、パス成功率「93%」、ロングパス成功率「100%」という凄まじい数字をたたき出しています。

この数字は、サイドバック本来の役割をしていては到底このタッチ数は出せないので、いかにカンセロがビルドアップ時にインサイドで貢献できているかということが分かる数字ですね。

3.チャンスメイク

グアルディオラ監督が今まで採用してきた「偽サイドバック」の主な役割は先ほど述べたビルドアップのサポートがメインでしたが、カンセロはさらにその先『チャンスメイク』までも手掛けてしまいます。

同じくチャンピオンズリーグのボルシアMG戦ではカンセロのパスを起点に2ゴールが生まれ、サイドバックらしからぬ攻撃センスで、チームの勝利に貢献しました。

得点以外にも、この試合では数多くチャンスを演出し、まさしくカンセロが攻撃を牽引していたといっても間違いではないでしょう。

●参考映像
 

 

サイドバックとしての経験が豊富なだけでなく、ゴールに向かって自ら仕掛けていける度胸もスキルもあるカンセロに「偽」の役割を与えることによって従来の「偽サイドバック」の戦術がさらに一歩先へ進化したような印象を持ちますね!!

MFの選手が偽サイドバックの役割をすると、どうしても守備時での混乱を起こしがちですが、カンセロは守備時では本来サイドバックの選手なので、サイドバックとしての役割を従順にこなすことができるので、守備で弱みを見せることもありません。

サイドバックの選手が偽サイドバックの役割を果たすことで、守備での不安も解消されるというメリットも大いにありますね。

4.まとめ

グアルディオラ監督に新たなタスクを与えてもらったことで駆け足でスター選手への階段を駆け上がっているカンセロ。

しかしカンセロ本人は

「僕はいくつかのポジションでプレーしているけれど、どこでも気持ちよくプレーできているし、常に学び続けている。僕のスキルでチームを助けたい。今日は左サイドバックだったけれど、監督に求められればどこでもプレーできる。チームのために全力を尽くすだけだ」

と語っているように、常に成長するための努力を怠らず、オープンマインドで臨む姿勢があるから、複雑な戦術や役割も完璧にこなすことができるのでしょうね!!

今後もカンセロの活躍に期待しましょう!!


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