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2019年ラグビーW杯後の日本ラグビーについて考えてみた

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アイルランドに勝利を収めて、大きな盛り上がりを見せる日本ラグビー界、今大会は順調に日程を消化し、成功に向けて進んでいますが、今後の日本ラグビー界はこの成功を一過性のブームではなく、文化として、レガシィとして残していけるのでしょうか。

これまでの日本ラグビー

2015年W杯で南アフリカに勝利したことで、一気にラグビーは注目され、五郎丸ブームなどラグビーへの注目度は一気に上がりました。しかし、W杯から数か月後、その注目はなくなってしまいました。

国内のプロリーグであるトップリーグの2015年シーズン観客動員数は1試合平均6,470人、前年の4,719人から増加はしたものの、2016年シーズンは5,059人と、W杯の効果はたった一年で消え去ってしまったのです。

さらにほかのスポーツを見てみるとプロ野球の一試合平均観客動員数は30,929人、サッカーJ1は18,227人と、文字通り桁が違うのです。

それに加えて野球は1チームで年間143試合もあるのに、ラグビーの年間試合数はリーグ合計で年間80試合しかありません。これはラグビーの試合による体力の消耗が激しく、間隔をあけないと選手がすぐにけがをしてしまうことが理由です。

観客数、試合数を見ただけでもお分かりのようにラグビートップリーグは興行としてはかなり厳しい状況にあるのです。

アマチュアからプロへ

ラグビートップリーグをより盛り上げるためにたびたび議論されているのが、チーム、選手のプロ化です。現在トップリーグに参加しているチームは企業のラグビー部であり、選手の7割はその企業に所属する会社員です。

つまり昼はサラリーマンとして働き、夕方からラグビーの練習をしているのです。このような状況では日本ラグビーのレベルアップ、興行としての売上、人気アップは難しいとして、プロ化をすべきとの声はかなり前からあがっていましたが、これまで日本ラグビー協会がこの方針に非協力でなかなか進展していませんでした。

しかし、2019年㋃に日本ラグビー協会名誉会長の森喜朗氏が辞任を表明し、同時に教会の大胆な若返りを求めたのです。それによりこれまでの役員は辞任し、新たに就任した清宮克幸氏がW杯開始直前にラグビープロ化構想を打ち出したのです。

企業頼みから脱却して収益を生み出す組織へ向けて動き出したのです。

ドラマ「ノーサイドゲーム」の中で、年間16億円の費用がかかる一方で、収益はゼロと描かれたラグビーチームの状況だが、トップリーグ強豪チームのサントリーサンゴリアス、パナソニックワイルドナイツのゼネラルマネージャーはこれと大差ないと苦笑いしながら説明したという。

「ノーサイドゲーム」では保守派の会長が辞任し、チームが優勝し、これから明るい未来が待っている、といった様子で最終回を迎えていますが、日本ラグビー界はこの物語の最終回のその先を描いていくことになるのです。

フィクションにも負けない素敵な物語が描かれることを心より、期待したいと思います。

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