テニスコメンテーターのTAMAJIです。デルレイビーチ・オープンで快進撃を続ける西岡選手、ついに決勝まで来ました!これに勝てば、2018年の深圳オープン以来のツアー優勝となります。しかしその前に立ちはだかるのは、巨漢のビッグサーバー、オペルカ選手、さあオペルカ選手を倒して2度目のツアー優勝はなったのでしょうか?
オペルカ選手
身長211センチの長身、武器はもちろんサーブ、そのサーブ力はツアー屈指というよりも、むしろツアーナンバーワンを争う。この体格からのサーブから連想されることは、スピードそして角度であろう。
しかしオペルカ選手のサーブ技術は極めて高い。やみくもに力だけで押していくのではなく、きっちりとコースをついてくる。オペルカ選手は、フラット系、スピン系、スライス系を打ち分け、相手に的を絞らせない。ただでさえ返球することが至難の業と思えるサーブで、的を絞れなければその難易度は倍加してしまう。
そしてストロークの威力もすさまじい。長身を生かしてまさに打ち下ろすストロークスピードは150キロを超える。サーブ&ボレーもうまい。リターンできたと思う間もなく、ネットで待ち構えるオペルカ選手に、強烈なボレーやスマッシュを決められてしまう。誠に厄介な相手だ。
オペルカ選手戦戦況1
https://www.youtube.com/watch?v=JMvYu6QzpX0
第一セットは、オペルカ選手が先にブレーク、4-2とリードする。しかしこの辺りでオペルカ選手のパフォーマンスがやや落ちる。極めて高いサーブ技術を持つオペルカ選手が珍しくダブルフォルトを犯す。
いったんリターンを西岡選手が返せば、ラリー戦では圧倒的に西岡選手が押す。この千載一遇のチャンスを西岡選手が生かしブレークバックして追いつく。4-4からのオペルカ選手サーブゲームでも西岡選手があと一歩のところまで追いつめる。「たら、れば」は禁物だがここでブレークしていればおそらく試合は西岡選手のものだっただろう。
そして第一セット大詰めの5-6からの西岡選手サーブでは、2度のブレークポイント、すなわちセットポイントをしのいだが、決して悪くない攻めをオペルカ選手がギリギリで返球、わずか及ばずセットを奪われてしまう。
オペルカ選手戦戦況2
第二セットは互いにサーブゲームをキープしていくが、6ゲーム目西岡選手サーブでは15-40とブレークのピンチ、ここを積極的な攻めと粘り強いストロークで耐え、見事キープに成功する。西岡選手はオペルカ選手の体の近いところへサーブを打ち込み、ポイントを重ねる。8ゲーム目西岡選手サーブゲームももつれ、オペルカ選手にブレークポイントを握られるが、見事な展開テニスで切り抜けてキープする。
オペルカ選手は、セカンドサーブとなっても西岡選手の頭の上にバウンドするような跳ねるスピンサーブでなかなかチャンスを与えない。また角度のあるワイドへのサーブを織り交ぜ、流れを再び引き戻してきた。
さあ勝負はタイブレークへ、西岡選手はオペルカ選手の体に近いところへ打つサーブ、ショット、そして時折浅いボールを打ち、オペルカ選手のミスを誘う。そしてサーブ&ボレーに出たオペルカ選手の足元へ見事なリターン、2本のミニブレークで6-4とリード、西岡選手がついに第二セットを奪いかえす。さあまた逆転か、の期待が膨らんだ場面だ。
オペルカ選手戦戦況3
ギリギリのところで試合をしている選手たちにとって、わずかなファクターにもかかわらず、かなり大きな運不運に見舞われることがある。
セットオールに持ち込んで「ここから」と考えていた西岡選手のサーブから試合が始まる。ちょうどここでニューボールとなり、オペルカ選手リターンのスピードが増した感がある。さらに観客からの声がラリー中に出てしまい、ミスをさせられる。若干ペースを乱された西岡選手少し集中が切れ、ブレークポイントでダブルフォルト、大事な1ゲーム目をブレークされてしまう。
先行したオペルカ選手はわずかであるが余裕を感じさせ、得意のサーブを打ち込んでくる。このセットで反撃を膨らますチャンスがあったとすれば4ゲーム目のオペルカ選手サーブで0-30と先行した場面だろう。しかしここでオペルカ選手がサービスエース連発、アッという間にチャンスは摘み取られてしまう。
耐えに耐えていた西岡選手だが、2-4の7ゲーム目で0-40の大ピンチをしのぎ切れず、決定的な2ブレーク目をオペルカ選手に奪われる。この時点でほぼ万事休す、しかし見事な準優勝だ!
ブレークされた場面も、ほんのわずかの差、いわゆるジャストアウトと、相手のミラクルプレー、そしてダブルフォルトの時もやや不運な面があった。通常の西岡選手ならダブルフォルトを犯す場面ではない。敗れたが、なお強し、さらに強くなっている。相手のオペルカ選手も成長している。今シーズンはケガさえなければ相当活躍するだろう。
まだシーズン序盤、ドバイの後は北米ハードコートシリーズ、そしてクレーコートシーズンがやってくる。クレーはサーフェスとしては西岡選手向きといえるだろう。自己最高位更新、トップ50位内の48位まで躍進した西岡選手、更なる活躍の期待大だ!
(西岡選手twitterより引用)
動画分析
https://www.youtube.com/watch?v=JMvYu6QzpX0
(3’40”付近から)
第一セット7ゲーム目、西岡選手サーブでオペルカ選手怒涛の攻撃を見事にかわし、サーブキープする場面。西岡選手真骨頂!
(8’17”付近から)
第二セット6ゲーム目、西岡選手サーブでブレークのピンチ、西岡選手の顔から頭あたりまで跳ねるボールで攻めるオペルカ選手、耐えに耐えてブレークを脱する。素晴らしい粘り!
(14’44”付近から)
第三セット7ゲーム目、ここでブレークされたらほぼ決まりの場面、耐えに耐えていた西岡選手だが、バックハンドダウンザラインがわずかにアウト、無念のブレーク。
西岡選手次の大会は?
息つく暇もなく、西岡選手はドバイへ移動する。今度は500グレードの大会である。そして第一シードは全豪覇者のジョコビッチ選手、他チチパス選手、モンフィス選手などランキング上位選手が出場予定だ。
西岡選手初戦はフランスのエルベール選手、同じブロックにフォニーニ選手やルブレフ選手などの強打のプレーヤーがひしめき、非常に楽しみな大会だ。デルレイビーチの勢いそのままに更なる活躍が期待される。
今日の西岡選手 ツイート
決勝で敗退しましたがとても良い1週間でした。自己ベスト更新、2回めの決勝進出大きな一歩です。
既にもう飛行機でドバイに向かいます。沢山の応援ありがとうございました。
Lost in final but I had great week in Delray Beach. I’m already airplane and off to Dubai. Thank you all of support. pic.twitter.com/wDoHduV7B7— YOSHIHITO NISHIOKA (@yoshihitotennis) February 24, 2020
敗れたとはいえ、大接戦、見事な戦いぶりの西岡選手コメント!
もう一つオマケ
Next step is call me YOSHI. https://t.co/LMmqXPW7d7
— YOSHIHITO NISHIOKA (@yoshihitotennis) February 24, 2020
試合後のインタビュー、英語も達者な西岡選手
Next step is call me YOSHI!!