西岡選手 デルレイビーチ準々決勝テニスコメンテーターのTAMAJIです。デルレイビーチ・オープンで準々決勝に勝ち進んだ西岡選手、その相手は第三シードのフリッツ選手でも、そのフリッツ選手を破ったノリー選手でもありませんでした。
世界ランク294位、ワイルドカードで出場のアメリカ ナカシマ選手18歳です!全く未知数のこの若者と西岡選手の試合は、いったいどんな結果となったのでしょうか?
ナカシマ選手
身長185センチ、体重77キロの堂々たる体躯のナカシマ選手、日系アメリカ人と推測できるが、線の細い日本人選手というイメージは全くない。怖いもの知らずの18歳、今大会初戦ではチェコのベセリー選手、2回戦ではイギリスのノリー選手といった自身よりもはるかに上位の中堅選手を連破してきた。
ストローク力、サーブ力、そして展開力などの要素は全く未知数、戦略にたけた西岡選手としても事前の戦略を練るにはデータが少なすぎていたと思われる。
ナカシマ選手戦戦況1
このシリーズでも何度か述べてきたが、テニスはセット立ち上がり、終盤といった場面にヤマが訪れることが多い。18歳には見えない落ち着きぶり、そしていかにも重そうなサーブ、ストロークを繰り出すナカシマ選手がサーブキープしてこの試合がスタートする。
続く西岡選手サーブゲームでは、40-15としながら、ナカシマ選手の粘り強い試合ぶりに早くもブレークを許してしまう。
往年の名選手であったキャッシュコーチが見守る中、ナカシマ選手はスピンの効いた力強いクロスショットを中心に、またサーブも安定した素晴らしいプレースメントで西岡選手を攻める。
3ゲーム目を西岡選手がブレークバックしながら、4ゲーム目でナカシマ選手の強烈なストロークに押され再びブレークされてしまう。西岡選手を素晴らしいクロスショットで振り回すナカシマ選手、西岡選手はなかなか自らのペースをつかめない状態が続く。
長いゲームとなった第5ゲーム ナカシマ選手に結局押し切られてキープされるが、このゲームの中で西岡選手が少しずつ布石を打ち出し、打開策を見出してくる。これが後々に効いてくるわけだが・・
第一セットは3-6、1ブレーク差ではあるが、ストロークのパワーに押された感のある西岡選手、あまり良い気持ちではない。
ナカシマ選手戦戦況2
第二セット立ち上がりの西岡選手サーブで、ここでも3度のブレークピンチに見舞われるがここはサーブ、ストロークを駆使して何とか粘り切りキープする。このゲームのキープは大きかった。ここをブレークされていれば、ナカシマ選手の勢いからいって、ストレートセットで押し切られたかもしれない。
事実この後互いのサーブキープが続き、西岡選手セットポイントもナカシマ選手のサービスエースでしのがれ、第二セットはタイブレークにもつれ込む。
タイブレークは全く互角のスタート、西岡選手が見事な展開テニスでポイントを重ね、ナカシマ選手は豪打、サーブの威力で得点していく。
3-3で迎えたナカシマ選手サーブを少しラッキー気味にミニブレークすると、続く8ポイント目では驚異の粘りを発揮して5-3、激しいラリーだった次のポイントもとって6-3とする。
ナカシマ選手も素晴らしい。続く2ポイントを見事キープして後一歩まで西岡選手を追い込むが、バックハンドを鋭角に決めた西岡選手に前にこのセットを失う。
セットオールで第三セットへもつれ込んだ。
ナカシマ選手戦戦況3
第三セットの立ち上がり、大事なナカシマ選手のサーブゲーム、ここへきて西岡選手コートへ深々と突き刺さっていたナカシマ選手のストロークに若干ほころびが見え始める。
わずかにショットがアウトした状態を西岡選手が見逃さず、ブレークに成功する。
西岡選手はサーブを散らし始め、特にフォアサイドのセンターへの逃げるスライスサーブが有効で、これとアドサイドのワイドサーブを織り交ぜながらナカシマ選手に的を縛らせない。
そしてコート上の動きがさらに良くなった西岡選手はフットワークでは絶対負けないという自信がありありで、長いストローク戦をほぼ支配する。再びブレークに成功、この辺りで西岡選手が完全にペースをつかんだ。
西岡選手5-1で迎えたナカシマ選手サーブゲームで西岡選手が4度のマッチポイントを握るが、ナカシマ選手はここをサーブ力中心に切り抜ける。流れからいってあっさりと終わってもおかしくない状況で、3連続サービスエースなど見事な粘りでカムバックした。ナカシマ選手は、こういったメンタル面でも将来恐ろしい存在だ。
息を吹き返したナカシマ選手は続く西岡選手サーブゲームを見事ブレーク、続くゲームもラブゲームキープして4-5まで迫る。もう一歩で再び流れをつかむところまで押し返したのだ。
しかしこうなっても西岡選手は動じない。追いつこうとやや力の入ったナカシマ選手のミスを誘い、見事キープ、逆転で準決勝進出を決めた。
西岡選手次の相手は?
ついに準決勝まで来た西岡選手、次の相手は第六シード フランスのユンベール選手だ。ランキング44位、21歳の187センチサウスポーだ。
西岡選手にとっては初戦のミルマン選手以来の上位ランカー、そしてシード選手となる。この試合に勝てば2018年ツアー初優勝した深圳オープン以来のツアーレベル決勝進出だ。
ますます膨らむ期待、優勝目指してがんばれ西岡選手!
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デルレイビーチオープンセミファイナルへ!そして自己ベスト更新確定??かな?!
約3年前に前十字靭帯断裂からやっと更新しました。僕ほんとに緊張しないですけど、終わりだけめちゃくちゃ緊張しました。このまま次も頑張ります^_^#atptour #tennis #テニス #西岡良仁 #自己ベスト更新 https://t.co/8CFfcalD5e— YOSHIHITO NISHIOKA (@yoshihitotennis) February 22, 2020
ランキング自己ベスト更新へ喜びの西岡選手。
じん帯断裂をいう大きなけがを負いながらそれを見事克服、よくここまでカムバックしました!もっともっと上に行ってほしいですね!