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西岡良仁選手のデルレイビーチ2回戦 ブランドン・ナカシマ選手に圧勝

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テニスコメンテーターのTAMAJIです。デルレイビーチ・オープンに参戦中の西岡選手、1回戦を見事な逆転勝ちで飾り、2回戦へ進出しました。波乱の多いこの大会、2回戦の相手はアメリカのルビン選手、ランキング269位です。

さあ上位進出を目指した西岡選手の戦いぶりはいかがだったでしょうか?

ルビン選手

今大会は予選から参戦、イタリアのロレンティ選手、そしてジョコビッチ選手を破ったこともあるウズベキスタンのイストミン選手といった自分よりも上位のランカーを接戦の末くだし、本選出場を果たした。

アメリカの選手ですが、身長175センチ、体重70キロと小柄な選手、おそらくは西岡選手と同じようなタイプのフットワーク、粘りを主体としたプレーヤーと推測される。

初戦では、台湾のジャン選手を破ったが、ルビン選手1セットアップの2セット目途中でジャン選手のリタイヤだった。前週のニューヨークオープンで西岡選手が敗退を喫したオペルカ選手を破ったジャン選手、その後ベスト4まで進出して勢いがあるかに見えたが、ルビン選手の前に敗戦となった。

西岡選手とルビン選手は、ATPツアーレベルでは初対戦だが、フィーチャ-ズ大会で過去2度の対戦経験があり、いずれも西岡選手が勝利している。

ルビン選手戦戦況1

https://www.youtube.com/watch?v=MSo1CUVzSik
(YouTubeより)

西岡選手のサーブで始まったこの試合、1回戦もそうだったが、立ち上がりが一つのカギである。案外立ち上がりのサーブゲームではこれを落とすケースが多い。その場合は相手が格下といえども、ペースを取り返すのに時間がかかる。相手に勢いもついてしまう。

この試合の西岡選手立ち上がりは完璧なラブゲームキープでスタートする。相手にスキを与えないぞ、というメッセージである。ここでルビン選手は過去の敗戦経験もあり、今日の相手は手ごわい、というイメージを植え付けられる。

西岡選手の強みはアグレッシブなリターンゲームの展開だ。サービスエースを交えた安定したサーブキープでリターンゲームへの集中力を増した。過去2度の対戦である程度相手サーブを分析できている西岡選手、この日のコンディションに慣れてきた4ゲーム目の相手サーブで早くもチャンスをつかむ。

たちまちポイント先行して15-40のブレークポイントのチャンスを得るが、ルビン選手もサービスエースなどで粘りジュース、しかしここを西岡選手が取り切り3-1とリードする。

そして6ゲーム目でも再び相手サーブを攻める。またもや15-40の2ブレークポイントをつかみ、今度は一発で仕留めている。7ゲーム目はラブゲームキープ、6-1の圧勝で第一セットを奪う。

第一セットでは4キープ、2ブレークと完璧なセットだったが、4キープのうち3ゲームがラブゲームと数字以上に圧倒した。

(西岡選手twitterより引用)

ルビン選手戦戦況2

ここまで圧倒した第一セット、過去は2戦2勝、西岡選手の自信はゆるぎないものになる。そこでも西岡選手はペースを変えず、きっちりと自分のテニスをやり切る。優勢でも劣勢でも自分を見失わず、その時にできる最高のプレーを発揮する。

すでに何度も述べてきたが、このメンタルの強さは西岡選手の素晴らしいアドバンテージであり、どんな相手と対戦してもレベルが下がることがない。

第二セットもほぼ同じような展開、劣勢を挽回しようとルビン選手が必死の抵抗をした形跡がうかがえるが、西岡選手は寄せ付けない。自らのサーブゲームでポイントリードを許す場面も極端に少ない。

第二セットは3ゲーム目、7ゲーム目の相手サーブを2度ブレークに成功、6-2とここも圧倒し、試合を締めくくる。試合時間は1時間に満たず、ランキング通りに完勝して5年ぶり2回目のベスト8進出を決めた。
 

西岡選手次の相手は?

デルレイビーチ・オープンでは波乱が続出している。第一シードでエントリーしたキリオス選手が出場回避、第三シード フリッツ選手は初戦でノリー選手に敗退、第五シード ミルマン選手は既報の通り西岡選手に敗れている。

トップハーフで残っているシード選手は第六シードのフランス ユンベール選手のみ、ランキング44位の21歳だ。とはいってもNEXT GENの一人ティアフォー選手や、最近の上昇めざましいケツマノビッチ選手も勝ち残っているので侮れない。

しかし西岡選手上位進出の大きなチャンスであることは間違いない。またオペルカ選手やラオニッチ選手などのビッグサーバーが、西岡選手ブロックとは逆のボトムハーフにいることも幸運かもしれない。

そこで次の相手である。この相手を倒さない限り次はない。ナカシマ選手、身長185センチ、体重77キロの18歳である。ランキングは294位、今大会はワイルドカードで出場を果たした。

このワイルドカード出場選手というのは気をつける必要がある。地元での有望選手にチャンスを与える意味での出場枠だが、特に底辺の広いアメリカではたまにとんでもない選手が出場することがある。

ナカシマ選手は初戦でチェコの198センチサウスポー、豪打でなるベセリー選手をストレートで破っている。2回戦ではイギリスの24歳、ランキング60位のノリー選手をこれもストレート勝利でもちろん自身初のツアーベスト8進出を果たす。

西岡選手とは初対戦、ナカシマという苗字からは日系アメリカ人と推測できるが、ツアー標準レベルの185センチという体格、しっかりとしたストローク、サーブを打ってくるイメージがある。

映像分析

https://www.youtube.com/watch?v=MSo1CUVzSik
(YouTubeより)

19’26”付近から
第一セット2度目のブレークをする場面だが、西岡選手バックハンドが絶好調、ブレークポイントでは相手セカンドサーブをバックハンドでリターンポイント、ほぼウィナーだ、

20’15付近から
第一セットのサービングフォーザセット、この日の典型的なサーブキープだ。フォアサイドからはボディ気味のサーブ、そしてネット攻撃、アドサイドからはセカンドでも相手バック側への切れるスライスでポイントを奪えるパターンを確立、フォアサイド側でも安心して攻められる。

32’00”付近から
47’06”付近から

西岡選手サーブゲームで先行を許す2度の場面だが、1度目はアドサイドからのサービスエース、センターへのサーブをここで使う。

2度目はこのワイドサーブに相手が合ってきたと思いきやネット攻撃と多彩な攻めで追いついていく。

49’46”付近から
ルビン選手サーブゲーム30-0から、西岡選手が怒涛の攻撃をみせる。典型的な展開テニスでネットプレーを駆使してブレークに成功、5-2 2ブレークアップとほぼ勝利を決定づける。この勝負の詰めは見事!

今日の西岡選手 ツイート

デルレイビーチはだいぶ暑いようですね!5年ぶり2回目のベスト8進出、おめでとうございます!次も期待です!

wowow

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