こんにちは。
マンチェスター・シティ大好き松嶋俊です。
プロのチームのコーチをしていて大好きなマンチェスター・シティについて解説をインスタ・ティックトックで行っています。よければどうぞ。
イングランド・プレミアリーグ第12節ではユナイテッドとシティによる「マンチェスター・ダービー」がオールド・トラフォードで行われました。前節の勝利でようやく今季初の連勝を飾ったシティは、取り戻しつつある調子を宿敵ユナイテッド相手に確固たるものにするために結果を出したい一戦です。
一方、マンチェスターユナイテッドは、チャンピオンズリーグではプレミア勢唯一のグループリーグ敗退に終わったものの、リーグでは4連勝中。
皮肉にもリーグに集中する環境が整ってしまった形となり、リーグ制覇や来期のチャンピオンズリー出場権を獲得するためにも、ライバルは叩いておきたいところでしょう。
目次
1.両チームの情報
1-1.マンチェスターシティ メンバー
マンチェスターシティは、ロドリとフェルナンジーニョを中盤の底で起用し、左サイドバックにはメンディではなくカンセロを配置し、両翼には好調のマフレズとスターリングが起用されました。
1-2.マンチェスターユナイテッドィ メンバー
マンチェスターユナイテッドはカバーニを負傷で欠く中で、ポグバとブルーノ・フェルナンデスが揃って先発しました。
両チームのシステム配置はこのようになっています。
2.この試合キーポイントとなった箇所を解説
「安全圏を抜け出さない」
この試合を一言で表すとこんな感じでしょうか。
マンチェスターシティはロドリとフェルナンジーニョをダブルボランチぎみに先発させることで、ユナイテッドのカウンターや縦に速い攻撃に対してのバランスを保つのが狙いだったんではないかと思います。
そのデメリットというか、このダブルボランチからあまり前にパスを供給することが少なかったような印象でした。
ポゼッション率を高め、ボールは保持できていますが、思うようにシュートチャンスを作れず、ブルーノフェルナンデスが中心となり、スイッチを入れて奪いに来るユナイテッドの前からのプレスに手を焼いていました。その中で、
2-1.デブライネが機転を利かせる
●デ・ブライネ敵のブロック外でボールを受ける
前から奪いに来るユナイテッドに対して、デブライネはユナイテッドの守備組織の『外』でボールを受ける工夫をします。
中央に位置しているデブライネが外にまで移動してボールを受けるわけですから、デブライネのマークをしている相手は、守備組織を壊してまで外に出ていくデブライネに付いて行くわけにはいきません。
「外でならボールを受けさせても大丈夫だろう」
とそこまでマークにはいきませんが、相手はデブライネです。繋がりはしませんでしたが「おお」というパスを狙っていましたね。どうすればフリーでボールを受けられるのかを常に考えているデブライネならではのプレーだったと言えるでしょう。
2-2.ボランチを落としてのビルドアップ
ユナイテッドの前線守備に少し手こずっていたシティでしたが、次第に落ち着き始めます。ロドリ、フェルナンジーニョを最終ラインに落としてビルドアップをし始めたのです。
●フェルナンジーニョが落ちる
フェルナンジーニョが最終ラインに落とす場合は右サイドバックのウォーカーを高い位置へ上げ、右サイドハーフのマフレズを中へ入れてビルドアップすることで、サイドに厚みを加えます。
●ロドリが落ちる
ロドリが最終ラインに落ちる場合は、ストーンズとディアスの両CBの間に落ちて、両SBを高い位置へと入らせます。
そして、映像のようにフェルナンジーニョがアンカーボランチの位置に入り、敵の前線2枚の間に顔を出して、敵の前線2枚を中へ締めさせます。この、フェルナンジーニョの「間でつながるポジショニング」はすごく大事で、ロドリも一度フェルナンジーニョにパスを出して、敵がフェルナンジーニョを気にするようにさせています。
そうすることによって、ストーンズとディアスが、フェルナンジーニョを気にして間を締めた敵の前線2枚の脇から侵入できるようになるのです。
私はロドリが最終ラインに落ちてプレーした方が理想的な組み立てができると考えています。ロドリは、敵の間で受けて、前線にパスを供給することに強みはありません。
それよりも、最終ラインに落ちてプレッシャーを受けない状態から『配球役』となって前、サイドにパスを散らしていく方が、ロドリの良さがでると感じています。
今回はロドリとフェルナンジーニョがコンビを組みましたが、フェルナンジーニョも中盤でターンして前線にパスを供給するプレーはあまり上手い方ではありません。なので、ロドリ、フェルナンジーニョのどちらかを起用するのであれば、その相方には、攻撃的な部分での上手さがある、ギュンドアンを起用する方が、攻守においてバランスが取れると考えます。
もっとも今回はユナイテッドのカウンターを警戒してのロドリ、フェルナンジーニョの同時期用だと考えられるので、理解はできますが。
2-3.少ないチャンス
このゲームではお互いにチャンスと呼べるものはあまりありませんでした。そんな中でも、スターリングとジェブズの連動でチャンスを作り出そうとしていましたね。
●スターリングとジェブズ連動
マフレズがボールを受けた際、中央少し左寄りからスターリングが右サイドに入ってきます。その動きにユナイテッドのCB(マグワイア)が付いて行くことにより、中央が割れます。この『割れ』を見逃さず、左サイドからジェブズがアクションを起こし、マフレズも見逃さずパスを送り、チャンスになったシーンでした。
【スペースを作る⇒スペースを使う】
をスターリングとジェブズがうまく連動してプレーしていましたね。それにしても、お互いに相手を『リスペクト』した戦いは少し物足りなさを感じました。それはシティの守備の方法にもっとも表れていました。
2-4.前線守備
シティの守備は奪われた瞬間に前線の3枚がスイッチを入れ、積極的に奪いに行くことが特徴ですが、この試合ではそこまで奪いに行かず『敵のボランチを背中で消す』ような守備をしていましたね。
そのおかげで、ユナイテッドは外回しでしかボールを動かすことが出来ず、苦労している感じはありましたが、いつものシティのように、鋭い前線守備で、奪いきってショートカウンターが出来るシーンがなかったですね。
●マンチェスター・シティ前線の守備の仕方
勝ちたいよりも負けたくない気持ちの方が強く出てしまったがための守備の選択だったのではないでしょうか。
3.まとめ~
今回のマンチェスターダービーは少し消化不良というか、少しがっかりしましたね。もっとアグレッシブにボールを奪い合って『動きのあるゲーム』を期待していただけに、少し拍子抜けした部分がありますね。
しかし、今のお互いのベストではないチーム状態を考えると致し方ないのかもしれませんね。
マンチェスターシティの次戦いはプレミアリーグ第13節ウエストブロムウィッチ戦になります。今回のゲームでの消化不良を解消できるような勝利を期待して待ちましょう!!
最後に私一押しのフェルナンジーニョの『さりげなく』味方を助けるサポートを見ていただきましょう!!(笑)
●フェルナンジーニョさりげないサポート
ユナイテッドの前線からの守備に、味方CBがハマってしまいそうな状況の時に『いぶし銀』のフェルナンジーニョがさりげなくサポートに入り、敵の守備のスイッチを見事に切りました。
フェルナンジーニョのこういうプレーが私は大好きなのです!!
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