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サッカー上達するためにスポーツ観戦で必要な視点【サイドバック編】

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こんにちは。
現役Jリーグチームのコーチを勤めているSです。

前回記事に引き続き、外出自粛中でもサッカーが上達する方法をお伝えします。今回は、サイドバックのポジションに特化した内容をお伝えします。

進化を続けるサイドバック

近年、サイドバックはその役割がさらに進化し、様々な場面で重要度が増しています。

従来の、サイドを攻守に上下動する役割に加え、自陣から攻撃の起点となるパスやドリブル、敵陣でのFW顔負けの動き出しからゴールに絡んでいくプレーなど、攻撃での役割はより多様化し、「バック」と名の付くポジションではあるが、より攻撃的な能力を持った選手がサイドバックでプレーすることが主流になりつつあります。

今回、2018-19年度のラ・リーガ第10節『バルセロナⅴsレアルマドリード』の試合映像を参考に、長年バルセロナの左サイドバックに君臨する、アルバという選手がどのように攻撃に関わっているのかを、いくつかのプレーをピックアップしながら独自の視点で解説していきます。

まず、参考までに両チームのシステムは、お互いに4-3-3で、バルセロナのサイドバックは左にアルバ、右にセルジロベルトを配置、対するレアルマドリードは左にマルセロ、右にナチョを配置。

また、私が考えるサイドバックにとって重要な《相棒》と位置付けているサイドハーフにはバルセロナは左にコウチーニョ、右にラフィーニャを並べ、レアルマドリードは左にイスコ、右にベイルを配置している。

良いポジショニングから前を意識したプレー

まずは、前半1:45のアルバのプレー
センターバックのラングレからパスを受けたアルバが、右足ダイレクトで前方のコウチーニョへとパスを通したシーンだが、ラングレがボールを受けて、周囲の状況を見ながらドリブルを開始する。

この時、左サイドバックのアルバは少しバックステップを踏みながら前方へと移動し、レアルの右サイドハーフのベイルがプレッシャーをかけられない位置取りをする。

なおかつ、マッチアップする相手右サイドバックのナチョからもプレッシャーを受けないポジショニングを取る。この動きを確認したコウチーニョはアルバにスペースを提供するため、中へと移動する。

この一連のポジショニングにより、遅れてアルバにプレッシャーをかけに行くナチョの背後に出来たスペースを、アルバとコウチーニョは敏感に察知し、走り込んだコウチーニョにアルバはダイレクトパスを通す。

私はサイドバックがポジショニングを意識する際、敵のサイドハーフとサイドバックのどちらがプレッシャーにいくのか迷うようなポジショニングを取り続けることが重要だと考える。

この一連のプレーも、アルバが敵のサイドハーフにもサイドバックにもプレッシャーを受けない優位なポジションを取ることによって、複雑なプレーをしなくても相手陣地深くに侵入することができる見本のようなプレーである。

絶妙なタイミングでのスプリントからチャンスメイク

前半10:25のバルセロナのコウチーニョの先制点につながったアルバのプレーを見ていこう

試合開始から、先制点を奪うまで時間、バルセロナは安定したビルドアップでボールを支配していく。その効果もありバルセロナの両サイドバックは徐々に高い位置を取り始める。

中盤のラキティッチとブスケッツがパス交換をする最中、レアルの右サイドハーフのベイルはアルバに背中を向けてしまう。そこを見逃さなかったアルバはトップギアでスプリントを開始し、ベイル、ナチョを置き去りにしてレアル最終ラインの裏を取ることに成功する。

そこへ、ラキティッチから絶妙なパスが来る。アルバはワントラップでペナルティーエリア深くまで侵入し、マイナスに走り込んだノーマークのコウチーニョにパスを送り、コウチーニョは難なくゴールすることができた。

このゴールが生まれた要因はアルバの2つのプレーにある。

まず1つ目は、サイドバックながら、攻撃のスイッチを見逃さなかったアルバの観察力である。

ラキティッチとブスケッツがパス交換をする最中アルバは、ラキティッチが良い状態でボールを持っていること、ベイルが自分から目を離したこと、ベイルとナチョが自分のマークの受け渡しをうまく出来ていない事を瞬時に見極め、スプリントを開始している。

おそらくアルバは、スプリントを開始する前から、自分が相手陣地深くまで侵入できることをイメージできているのではないかと思う。

そしてもう1つは、走り込むコースである。

従来のサイドバックは、外のスペースへと走り込み『クロス』を供給することが大きな役割だとされてきたが、このシーンでのアルバは、より[ゴール]に向かったスペースへとスプリントしている。

サイドバックの動きというより、もはやFWの動き出しに近い。

そのおかげで、ラキティッチからボールを受けたアルバの位置は、ペナルティーエリアの中へ侵入している。このランニングコースの最大の利点は、コウチーニョに送るラストパスが《クロス》を上げる距離から、より正確に出せる《インサイドパス》の距離へと縮めることができる。

そのおかげでラストパスの難易度がより軽くなり、ゴールにつながった。このゴールはまさにアルバの状況を見る観察力と、よりゴールを目指したFWのような動き出しによって生まれたゴールといえる。

攻撃の始まりから完結まで

最後に挙げるシーンは73:49から始まる、バルセロナの3点目につながったアルバの「これぞサイドバック」と思わせてくれる一連のプレーである。

バルセロナのGKがボールをキャッチした瞬間、アルバは攻撃の準備を始める。
GKからボールを受け、中盤の選手へとパスする。そしてすぐにもう一度パスをもらえるポジションに移動する。

その最中アルバは、左サイドハーフのデンベレが中央にポジションを移していることを確認している。

リターンパスを受けたアルバは、中央にポジションを移したデンベレにダイレクトパスを送り、レアルのハイプレッシャーの波をかいくぐる起点のパス、いわば攻撃のスイッチとなるパスを通す。

自ら攻撃スイッチを入れたアルバは、そこから長い距離をスプリントし、フィニッシュの部分に関わっていく。

最終的にパスは来なかったが、もしパスが来ていればシュートできる位置にまで上がってきているのである。

GKから最初にボールを受け、起点のパスを出し、そこからスプリントで攻撃に関わっていく。まさにサイドバックの理想となるプレーである。

まとめ

今回ピックアップしたアルバの3つのプレーは、近年、より攻撃的な役割を担うサイドバックの[ゴール]に向かうプレーや、サイドで優位に立つためのポジショニング、攻撃に関わるためのスプリントの部分を私なりに解説した。

このゲームのアルバを見てもわかるように、クラシコと呼ばれるビックゲームを動かしていたのはサイドバックの選手である。

今後ますます重要度を増すサイドバックというポジションに注目してみてはいかがだろうか。

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