こんにちは。
マンチェスターシティ大好き松嶋俊です。(@dazndafoecontractsforsp0)
現在のサッカー界でベスト1な監督といえば、誰もが思い浮かべるのが「ペップ・グアルディオラ」でしょう。
さまざまな新戦術を用いて、欧州のサッカーのトレンド作り続けていますね!今回はマンチェスターシティ監督グアルディオラについて、少し掘り下げていきたいと思います!!
目次
1.グアルディオラとは
まずグアルディオラとはどんな人物なのか。
グアルディオラはスペイン生まれ。3歳でFCバルセロナのカンテラに入り、1990年に当時の監督ヨハンクライフに認められトップチームにデビュー。
当時のバルセロナはドリームチームと呼ばれていましたが、名だたるメンバーがいる中で、翌シーズンにはレギュラーの座を掴み、1990~91シーズンから1993~1994シーズンのリーガを4連覇に貢献。
不動のピボーテとして君臨し、1991~92シーズンには、主力としてUEFAチャンピオンズカップ優勝をもたらし、ドリームチームの中心人物の1人として活躍し続けました。選手としても一流だったんですね!
2.指導者としてのキャリア
現役引退後、指導者としての道に進み、2007年にFCバルセロナBの監督就任。
監督としてのキャリアをスタートさせる。当時4部に所属していたチームを就任1年でセ3部に昇格させます。
そして、満を持して2008~09シーズンよりフランク・ライカールトの後を受けてFCバルセロナのトップチームの監督に就任します。
グアルディオラはチームをリオネル・メッシやシャビ、アンドレス・イニエスタといったカンテラ出身の選手を中心に構成し、ディフェンスラインを高く保ち、最終ラインから組み立てる攻撃的なポゼッションサッカーを武器に、リーガを制覇。
コパ・デル・レイ、UEFAチャンピオンズリーグでも優勝し、スペインのクラブとして初めて三冠を成し遂げ、監督としての才能も証明しました。
バルセロナで監督のキャリアを終えた後、ブンデスリーガの強豪、バイエルンミュンヘンへンの監督に就任。
SBとして不動の地位を築いていた、キャプテンのフィリップ・ラームを中盤にコンバートするなど大胆な改革。
クラブの伝統を重んじるOBからの反発もあったが、ドイツ代表がポゼッション志向のチームを進めるなど、ドイツサッカー界に影響を残しました。
3.マンチェスターシティがグアルディオラを招へい
2016年2月にイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティFCの監督に2016~17シーズンから就任することが発表される。
マンチェスター・シティは2012年にグアルディオラの盟友であるチキ・ベギリスタインをフットボールディレクターとして就任させており、以前からグアルディオラを監督として迎えるための準備を進めていたわけです。
4.グアルディオラのチーム作り
グアルディオラの志向しているサッカーは「ポゼッションサッカー」をベースにボール保持を最優先にしながら攻撃していくスタイルです。
数多くのパスを用い、ピッチ上の選手同士が上手くポジションバランスを取りながら、シンプルだけど、手間暇かけてゴールに向かいます。
映像のように何本もパスをつなぎ、安定を担保にしながらボールを前に進めていくスタイルは、身体能力に恵まれない日本のチームにとって、憧れと目標にされているスタイルですね!
5.革新的な戦術
グアルディオラが一目置かれている最大の理由は、様々な戦術を、完成度高く使えることでしょう。
5-1.ゼロトップ
ゼロトップはグアルディオラがバルセロナ時代にメッシを軸に多く用いられた戦術で、現在シティでも多くの試合で見ることができます。
ゼロトップとは、本来はミッドフィルダーやウイングのプレーヤーがセンターフォワードのポジションに入り、その選手がワイドに流れたり、中盤に下がってきたと、自由な動きをすることで、マークに捕まらずにボールを受けることができたり、下がってサポートすることで、中盤に「+1」の状況を作ることにより、ボール保持をより安定させることができます。
さらに、FWの位置から下がったり、サイドに流れた際、もし敵CBが付いてきた場合、中央にスペースができ、そのスペースをワイドの選手や、2列目の選手が使うことで、効果的に攻撃できるのもメリットの一つです。
5-2.偽サイドバック
グアルディオラ戦術の最大の1つである「偽サイドバック」
今ではJリーグでも使用するクラブがあるぐらい世界中で浸透していますが、これはグアルディオラ監督がバイエルン時代に生み出した戦術です。
攻撃のビルドアップのときにサイドバックが中央のポジション(ボランチ横)に入ることで、中盤に数的優位を作り、パスが安定。
さらに、CBからワイドへの長いパスルートが生まれるため、高い位置にいる味方のワイドプレーヤーに1本のパスで運ぶことができ、サイドで1対1の勝負が仕掛けやすくなります。
バイエルン時代にはアラバがその役割を担い、現在シティではカンセロや、ウォーカーがこの役割を担っています。
本来サイドバックは、サイドラインを「味方」とし、視野を180度確保すれば良かったですが、偽サイドバックを任される選手は360度の視野の確保をする必要があり、求められる役割がさらに高度になりました。
能力の高い選手でなければこなすことのできない役割ですね!
5-3.「5レーン」
今や日本の小学生ですら「5レーン」を話題に会話するぐらいトレンドになっている戦術です。しかし、5レーンの実行はとても難しく、選手個々の基礎技術が圧倒的に高くないと実現不可能な戦術です。
グアルディオラがバイエルンのピッチ内に縦の4本ラインを引くことで「5レーン」を作り、選手に定着させることを目指したこの戦術(考え方)は、同レーン上にポジションが近い選手が並ばないで、隣り合うレーンの選手は斜めのポジションをとるという約束事を作ることで、サイドで流動的なポジションをそれぞれが取りながら、トライアングルを作ります。
そうすることで、優位性を維持したまま安定してボールを動かすことができるようになるという考え方です。
現在のシティは5レーンの完成形と言え、1試合通じてのボール支配率は毎回60%を超えています。
偽サイドバックも、5レーンの考え方に基づき、内側に入るサイドバックは、ハーフスペースと呼ばれる、敵DFがケアしにくいレーンでボールを引き出すことが多いですね。
最初にも言いましたが、あくまで選手個々の圧倒的な基礎技術やインテリジェンスがないと実現不可能な戦術だということをお忘れなく。(笑)
6.参謀「リージョ」の存在
ペップの右腕として、厚く信頼されている男がいます。
かつてヴィッセル神戸で指揮をとっていたこともあるフアン・マヌエル・リージョ。現在、シティのコーチとしてグアルディオラを支える最も近い存在と言えるでしょう。
ふたりが初めて対面したのは、1996~97シーズンのことで、当時、リーガ・エスパニョーラ1部のオビエドを率いていたリージョは、バルサの選手だったグアルディオラの訪問を受けている。バルサに2-4で撃ち負けた試合直後に
と、グアルディオラは、リージョのチームを賞賛したそうです。
高い位置でボールをつなぎ、ゴールに迫り、奪われたら奪い返し、ショートカウンターを発動させ、得点も奪った。敗れはしたが、サッカーでは上回っていた。
リージョの志向するサッカーにグアルディオラは熱狂的なったという。
7.師弟関係
リージョがメキシコ1部リーグ、ドラードス・デ・シナロアで監督を務めていたとき、まだ現役を続行していたグアルディオラが「指導者としての助走」のため、最後のクラブとしてやってきました。
約半年間、ふたりのサッカー談義は毎日のように繰り返され、グアルディオラはリージョスタイルを取り入れていきます。グアルディオラの指導者としての基礎がここで作られたのでしょう。
とグアルディオラはそう語り、
とリージョも語る。かつて「弟子」だったグアルディオラの今度は「懐刀」となって、シティをより高みへと引き上げています。
8.今後の展望
昨年(2021)の夏、驚きの記事が目に飛び込んできた。
ESPNブラジルが報じました。
と話してることから、グアルディオの次の冒険は「代表チーム」と共に出発することとなりそうです。代表チームはクラブチームとは違い、監督の考えや志向するスタイルを浸透させる時間があまりありません。
各々、違うチームで、様々な考え、思考を持った選手を同じ方向に向かせるにはあまりに時間がないのです。
グアルディオラという強烈な「色」に染めてきたグアルディオラが果たして、どのように代表チームをマネジメントするのか、代表チームを指揮することが実現することになれば、非常にワクワクしますね。
最後にもう一つ、上記と同じインタビューコメントで、私がとても印象深かったグアルディオラのコメントがあります。
グアルディオラほどの監督でも、学ぶ姿勢、意欲を失っていない。サッカーは常に進化します。
常に最新のトレンドを生み出してきたグアルディオラですが、かつてリージョから学んだように、指導者である限り、学び続け、探求し続けるのでしょう。
今後のグアルディオラに注目です。
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