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ヴェッテル逆転の最大要因。VSCっていったいなに?

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3月25日、ついに18年のF1開幕戦がオーストラリアで行われました。予選の段階ではメルセデスのハミルトン絶対有利と思われていましたが、ハースチームのトラブルによりVSCが宣言され、その間にピットに入ったヴェッテルがハミルトンを逆転。そのまま1位でゴールするという中々ない展開になりました。

今回はヴェッテル優勝の最大要因。VSCについて解説します。

 VSCとはどんなもの?どんな時に宣言されるのか

F1通信より

まず、VSCとはヴァーチャルセーフティーカーの略です。セーフティーカーはクラッシュが起こった際にマシンの撤去や破片の除去に時間がかかる際に投入される隊列先導用の車で、この車が投入されている間マシンは他車を追い越し禁止、セーフティーカーと速度を合わせて運転するようにルールに定められています。

また、軽微な接触やコース上に障害物(観客が投げたペットボトルなど)が存在する場合にはコース横の監視員が黄色い旗を振ります。これはこの区間は追い越し禁止で原則して運転しなさいという指令を意味します。

この指示に違反して追い越しをするとドライバーにはあとでペナルティーが科せられます。ではVSCはどの位置にあるかというと、黄旗とセーフティーカーの間の指示、即ち全区間追い越し禁止で速度を落として運転しなさいという指示になります。

レース中の減速量の多さで比較すると、黄旗1本<黄旗2本<VSC<SC<赤旗(レース中断)となります。なのでVSCは黄旗では弱いがSCでは大げさすぎるような状態、例えば走行ラインらは外れているものの、コース内に故障したマシンが止まる。雨がひどくなったのでSCを入れる前に表示して減速させる。等の場合に宣言されます。

 なぜVSCが生まれたのか

VSCが生まれた理由、それは2014年の日本GPで起きた悲しい事故にあります。

F1情報通より

この年の鈴鹿サーキットは台風の影響により雨が降っていました。レースは行われましたが途中で事故が発生し、黄旗が出されました。

しかし、追い越し禁止は守られていたのですが、減速指示は守ると順位を失う可能性があることからほとんど形骸化していました。

そのような状況の中、ジュール・ビアンキというドライバーがアクアプレーニング現象を起こし高速でコース外へ飛び出してしまいます。通常ならばそのままタイヤバリヤにクラッシュして終わりだったのですが、彼が飛び出した先には、先にクラッシュしたマシンを撤去していた重機がいたのです。ビアンキはそのまま重機に突っ込み、すぐに助け出されたものの昏睡状態に陥りました。

直ちに手術が行われ成功したものの、意識は回復することなく半年後に亡くなりました。その後原因究明が行われましたが、原因はビアンキ選手の速度超過にあると結論付けられました。このことからドライバーに強制力を持って減速させるために生まれたのがVSCです。

VSCとHALOは同じ事故を教訓として作られました。批判が多いHALOと違いVSCは今のところ効果的に作用しています。レースを観戦する際にはその制度や装置がどのような経緯で生まれたのかを考えることで、散っていった数多の先人たちを偲ぶことができるのではないでしょうか。

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