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2020全豪2回戦 西岡良仁選手 VS エバンス選手 分析してみた~シリーズ⑨~

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西岡選手全豪2回戦
テニスコメンテーターのTAMAJIです。西岡選手が予想通りの快進撃です!すごい!自身初のグランドスラム3回戦進出を決めています!

そしてその相手は何と、2回戦で伊藤選手を粉砕した、あのジョコビッチ選手です。大変楽しみな3回戦ですが、西岡選手が素晴らしい試合ぶりをみせた2回戦、エバンス選手戦を振り返りましょう!

エバンス選手

エバンス選手イギリスの29歳、身長175センチ、体重75キロ、世界ランキングは32位で全豪には第30シードでストレートイン。2017年全豪ではチリッチ選手を破るなどの活躍をみせ4回戦へ進出、ところがその年にコカイン使用で1年間の出場停止処分を受けてしまう。

一時130位以下まで落ちたランキングを昨年見事に盛り返し、グランドスラムシード圏内まで上がってきた苦労人だ。

小柄なファイター、決してあきらめないメンタル、粘り強さ、エバンス選手を語るにはこういった表現がぴったりだろう。大柄な選手の多いツアーの中で、日本人選手とほぼ変わらぬ体格で強豪と渡り合い、ランキングを上げてきた。

西岡選手にとっては過去に対戦経験があり、勝っていることから、上位ランカーでありながら、自信をもって試合に入ったようにみえる。

エバンス選手戦戦況1

西岡選手のプレースタイルは、何度か紹介してきているが、ここでその「分析力」についてふれたい。西岡選手はビジネス書を愛読するなど、身体トレーニングに加えて、頭脳のトレーニングも怠らない。

テニスの技術が上手くなること、フィジカル力を向上させることはもちろん必要不可欠なことだが、それだけでは単なる「テニスの上手な選手」になってしまう。「テニスのゲームに強い選手」すなわちゲームに勝利するためには、戦略というものがとても重要なファクターになる。

レベルこそ違え、これはプロもアマも変わらない。

錦織選手も相当な「分析力」を持っている選手だが、西岡選手は全く引けを取らない。試合に入る前に相手を研究し尽くしている雰囲気をありありと感じさせる。

1回戦のジェレ選手についても、相当な分析を行っていた。ショットのタイミングはさほど早くはない、フットワークも抜群というわけではない、ネットにもそんなに出てこない、ストロークはフォアハンド、バックハンドとも高レベル、ダウンザラインショットもうまい、これを自分との対比で測り、上回れる部分、下回る部分を解析し、それをもとに戦略を練っていく。

ただし骨子となる基本戦略は必ず持っており、いざというときはそこに戻る。

エバンス選手の分析、そして西岡選手の導き出した戦略は「徹底したバックハンドへの攻撃」であった。エバンス選手のバックハンドはシングルハンド、しかもスライスで返球するケースが多い。

バックハンドで鮮やかにダウンザラインを抜くようなショットはさほど見かけない。つまりここを重点的に攻めていけば、チャンスボールの確率は増えていくであろう。

(出典;Photo by Cameron Spencer/Getty Images)

エバンス選手戦戦況2

エバンス選手は、パワープレーヤーではない。もちろんビッグサーブを持つわけでもなく、爆発的なストロークショットも持ちえない。ある一定レベル以上のサーブ、ストロークで打ち合い、最終的にはネットに出てボレーで仕留めてポイントを奪うプレーヤーだ。

したがって一発のスーパーエースはさほど多くはない。相手を上回るフットワーク、コートカバー力を武器に、ペースをつかんでいくタイプだ。

つまりネットに出るチャンスを与えないことも、ペースをつかまれない大きなファクターであった。

第一セットではエバンス選手は予想通りの展開テニスを繰り広げ、ネットにでてポイントを奪おうとする。ここを西岡選手が特に好調なバックハンドでパスを決め、エバンス選手の出鼻をくじいている。

これは西岡選手のバックハンドが、従来よりもさらに向上し、精度が上がっている証拠だ。ネットプレーを身上とするエバンス選手はこれほどパスを抜かれる選手ではない。この時点でエバンス選手は、これはかなり難しい、という感情を持ったに違いない。

6-4で第一セットを奪った西岡選手は、事前戦略通りの攻めをみせていく。

エバンス選手戦戦況3

エバンス選手のバックハンドはスライスが多い。西岡選手がエバンス選手のバックハンドへスピンの効いた高い深いボールを打ち、スライスで返球されることを見越してアプローチに出る。

エバンス選手のお株を奪うネットプレーでの得点を重ねる。

そしてアドコートでのサーブでは、基本戦略通りのワイドサーブを起点とした攻め、初戦のジェレ選手のようなバックハンドダウンザラインショットがあまりないエバンス選手、ランキングはジェレ選手より上だが、西岡選手にとってはより組みしやすかったかもしれない。

2セット連取、西岡選手が圧倒的有利な展開となる。

そして第三セットでは、エバンス選手サーブにおいても、いったんイーブンの打ち合いに持ち込めば、バックハンドをついたショットを今度はアプローチとしてボレーを決めるパターンを確立、このパターンで何度もポイントを奪っていた。

ここは先手必勝、エバンス選手がネットプレー展開に持ち込む前に、先に攻めてポイントを奪ってしまう。

エバンス選手としては攻め手を次々に封じられた感がある。そしてマッチゲームの西岡選手リターンでも、最後までこの日の典型的なポイントの奪い方でマッチポイントを奪取、セットカウント3-0の完勝である。

(出典;AP)

映像分析

(0’00” ~)
第一セット3ゲーム目のエバンス選手サーブ&ボレーを、見事なパスでブレーク!続いて6ゲーム目の西岡選手サーブの場面、エバンス選手がリターンからのネットダッシュをみせるが、ここは成長著しいバックハンドでパス!

この2本でエバンス選手の出鼻をくじく。

(1’19”~)

第三セット3ゲーム目西岡選手サーブでブレークポイントのピンチは、アドコートからの基本戦略、ワイドサーブからの展開、相手バックハンドへアプローチしてネットプレーで仕留めるという理想的なプレーでこれをセーブ!

(2’15”~)
エバンス選手サーブでの30-40、西岡選手マッチポイントの場面は、この試合何度となくみせていたエバンス選手バックハンドをつくアプローチで見事ポイント奪取、勝利!西岡選手分析力の賜物だ!

今日の西岡選手

世界ランク32位、今大会第30シードの選手に対してセットカウント3-0の完勝、西岡選手の実力アップは間違いない。今後の試合が大変楽しみになってくる。

3回戦のジョコビッチ選手に対し、西岡選手の「分析力」がどこまで通用するのか、錦織選手をはじめ、世界の名だたる選手が何度も跳ね返されているジョコビッチ選手の高い、厚い壁に穴をあけられるのか、西岡選手の対ジョコビッチ選手戦に向けた気になる一言がある。

「ジョコビッチ選手は相手にプレーをさせるのが上手い。逆に自分からプレーをすることがやや苦手ではないかと思う」
 そういえば、永遠とも思えるストロークを打ち、「攻めてこない」シモン選手にジョコビッチ選手が大苦戦した試合があった。

センターコートと他コートのボールの速さの違いまで把握している西岡選手、目の色を変えてジョコビッチ選手を研究しているはずだ。

そして、グランドスラムにおいて初の3回戦進出を決めた瞬間、喜びを爆発させる西岡選手!マッチポイントの映像がTwitterにアップされている!ぜひご覧ください!

さあ、頼むぞ!西岡選手!世界最強をぜひ打ち破ってくれ!

西岡選手Twitter

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